さて、明けましておめでとうございます。
早々に大きな地震となんだか波乱の予感がしますがとりあえず今年も紹介を始めましょう。
最初の一枚はネタ切れ気味の古代に代わってモハール金貨なんていかかでしょうか。近代コイン収集されている方なら言わずと知れた名品にして最近高騰著しい一枚ですね。
1841年 英領インド モハール金貨
NGC AU58
S&W-3.7 TYPE A/1 "W.W." PLAIN 4
表面はヤングヴィクトリアとしておなじみの若い女王の肖像と共にウィリアム・ワイオン作という名品の条件としては文句無しの出来栄え。
フォックスフェイスとか何種類かあるみたいですが私のは相変わらずというか一番数の多いタイプ。
裏面は表以上に有名なモハールといえばこちらのライオンとパーム(椰子)
このライオンとヤシの図柄の素晴らしさが唯一無二というか皆様惹かれるのではないでしょうか。
東インド会社時代なので碑文は"EAST INDIA COMPANY"
しかし、私はあまりインド史に詳しくないというか、古代ギリシア人によるグリーク朝が消えた後のインドなんてなーんにも知らないのですが、ムガル帝国とかは聞いた事がありますよ。(確かタージマハルとか作った辺りですよね。)
モハールも元々はムガル帝国で使っていた通貨の名称から、その後に英国の東インド会社~英領インド帝国時代に掛けてインドで使うために発行した金貨の総称という事だそうです。ここら辺は近代貨収集の方には説明は省いても大丈夫でしょう。
インド史や近代貨に詳しくなくとも、ヴィクトリア女王がインド皇帝を務めた19世紀は、政治的には植民地化と軍事侵攻の時代でもあるのですが、私の好きな博物学時代としてはインド北部で採集されたシボリアゲハや、ネパールや中央アジアでのパルナシウスというアゲハ蝶の仲間の新種発見とかの話があったりして興味深い時代でもあります。
古代好きの人としてはバクトリアコインや、多数の金銀製品であるオクソスの遺宝の発見、スタインが著書アレクサンドロス古道に書いたストゥーパと呼ばれる仏塔の地の調査旅行などの話として、インドから中央アジアの地がヨーロッパの人々に知られていく時代ですね。
さらに、鉱物好きの人にとっては有名なカシミールサファイアや南に下がってインド洋のスリランカは宝石の島でもありますね。
古代ギリシア人やローマ人がインドを驚異の地と見たように、当時のヨーロッパの人々にとってもインドはエキゾチックで魅力的な地と見ていたであろう事が伺えます。
という事で、インドの金貨に興味があったのが入手の理由の一つなのですが、ちょっとスケベ心で値上がりを期待しての入手でもありました。
最近のゴシッククラウンの高騰を見てこれなら当時候補に入れていた物も一緒に2枚入手して片方を売ればかなりの予算が確保できたのになあ、と考えてた所に今回のモハールを見掛けて入手した経緯がありまして。
その後、予想通りにあれよあれよとモハールは高騰して今や入手時の倍以上になり私もニッコリ。さあ、出品でもするの?となった所で問題がありまして、やっぱり名品はコレクターとしては手放せないよ!という当然と言うか単純な理由ですね(笑)
将来手放す事もあるかもしれませんがヴィクトリアコインコレクションとしてしばらくは持っていようと思います。
この際だからヤング以外のインド皇帝タイプの方も入手して、ついでにルピー銀貨の肖像2タイプ揃えれば私が良く考える4枚揃えができるのでは?と思ったのですが他のモハールも高騰して同じグレードではもう手が出せなくなってしまいました。
しょうがないのでルピーだけでも集めようかな…といった感じです。
ではこんな感じで今年もよろしくお願いいたします。
あれっ?そういえば今年の干支って何でしたっけ?
……
…
あーっ!辰年だから紹介していなかった円銀にすれば良かったんだ!!
どおりで皆様、龍関係のコインを紹介してるわけですよ…オチが付いた所でめでたしめでたし。