わあ!もうすぐ12月じゃないですか、今年もあとわずか。

コイン収集の方にとって年末年始近くは色々とオークション関係もありますが私はどうしましょうかね。考えている物もあるのですが、あまり大きな予算を組むのはそうそう出来ないのでよく考えないとですね。

 

という事で今年が終わる前に幾つかコインを紹介しておかないと。

とは言えギリシアコインはネタ切れですので、そろそろ後期帝政ローマコイン始めてみたいかと思います。枚数はそれ程無いので駆け足で後期帝政~ビザンツ時代の中ほどくらいまで行ってみたいかと。

 

帝政ローマ 305-311年 ガレリウス帝

ヌムス銅貨

NGC AU silvering

 

だいぶ前になってしまいますが、ローマコインはセプティミウス・セウェルス帝から始め、3世紀の危機の時代を終え、アルジェンテウス銀貨を発行したディオクレティアヌス帝による四頭政(テトラルキア)と呼ばれる時代まで紹介していました。

 

今回のコインのガレリウス帝は、東方正帝であったディオクレティアヌス帝の副帝を務め、彼が西方正帝と共に退位して故郷のスプリトでキャベツ作りに精を出している頃(本当だよ。)東方正帝の地位を継いで第二次四頭政をスタートさせます。

 

しかし、ディオクレティアヌス帝は単独皇帝~四頭政まで20年近く帝国の安定化に成功しましたが、第二次四頭政はわずか1年目にして西方正帝のコンスタンティウス・クロルスが死去した事により、帝位を巡って息子である後の大帝、コンスタンティヌスによる内戦が開始されることになります。

 

東方正帝としてのガレリウス帝は内戦の混乱を収拾する事が出来ずに死去する事になり、戦いに勝利したコンスタンティヌス帝による単独支配となる事で4人の皇帝で国土を防衛する四頭政は終焉する事になってしまいます。

あとこの方、死因がかなり凄まじい病死らしいですね。キリスト教弾圧にも参加している方ですので後の史家に内容盛られているような気もしますが。

 

裏面は天秤と豊穣の角を持った女神モネータ。貨幣(マネー)の語源としても有名ですね。

 

さて、ヌムスという呼び名でNGCのラベルに記載されている今回の銅貨ですが、かつての貨幣分類としてはディオクレティアヌス帝が行った通貨改革によって作られた、四頭政時代の大型銅貨としてフォリスとも呼ばれていました。昔の古代コイン収集していた方ならこちらの方をよく聞いたかもしれませんね。

当時はなんと呼ばれていたか分からず、硬貨を入れる革製の袋(follis)から付けられたそうですが、現在は当時使われていた単位のヌムスに(NGCでは。)統一されているようです。

 

一応硬貨としては5%の銀を含み、今回紹介の物のように銀メッキをされていた物もあったりして、大型銅貨として見た目が結構良いと思うのですよね。お値段も比較的高くない物もありますし、後期帝政で何か欲しいと思っている方にはおすすめしたい一枚です。

ただ、肖像に付いてはこの時代の皇帝達はみんな短く切り揃えた頭髪とお髭であんまり個人毎の変化はないので、出来の良し悪しで見た目が気に入った物を選ぶので良いかと。

 

テッサロニケにあるガレリウスの凱旋門のレリーフの一部。上段中央の騎乗の人物がガレリウス帝。

 

ではこんな所で。