TICCに行く前に更新をしておきましょう。入れ替えで入手したアンティオコスの銀貨の紹介です。
セレウコス朝 紀元前281-261 アンティオコス1世
テトラドラクマ銀貨
AU Strike5/5 Surface2/5 brushed
去年紹介したアンティオコス1世のテトラドラクマ銀貨。グレードはAUですし裏面のアポロンはまずまずだと思ったのですが、AWの結果はあの通り。
やはり表側の状態がイマイチと皆さん思うように、私も悶々とするよりかはと再挑戦したのがこちらとなります。
今度は表の肖像の打ち出しも文句の付け所がないでしょう!(いや、まあAUですので耳の辺りとかの摩耗はありますけど。)
去年の11月にAWへ出品依頼をしてから年末に突然これが出てきまして、もう行くしかない!と1月のAWもまだ終わってないカツカツ予算状態でヘリテージへ突撃しました。
ギリギリでしたが無事落札となりまして、打ち出しはこれ以上ない状態なのですが、残念ながらbrushedの洗浄評価です。
しかし、この打ち出しで状態評価が満点だと倍以上の予算でも落札できるかになりそうですし、はたして今後同じくらいの物に出会えるかという事を考えると、今回は打ち出しの素晴らしさの方を取って洗浄品の入手としました。
発行地は前のアンティオコスと同じにティグリスのセレウキア。
裏面のアポロン神の打ち出しは前の方が良かったかも。
アンティオコスは長い統治期間の年齢と共に図柄を切り替えていますが、こちらはアンティオコス2世が父アンティオコス1世の肖像で発行した物とも似ているので、おそらく晩年に近い時期の顔ではないでしょうか。
この特徴的なお顔のタイプが比較的良く目にしますね。
(追記:ぎりしあこいんさんの方の記事を読んで頂ければですが、Searによるとこちらは中年タイプで、晩年というか高齢タイプは他に存在していました。ちゃんと読んでから書けばよかったと反省。)
さて、アンティオコスの詳細は前回の記事で書きましたし、今回のNGCにも記載がある古代コインの洗浄(清掃?)評価に付いての話を少し。
発掘された古代コインは多かれ少なかれ腐食による表面付着物があるので洗浄する事になりますが、表面状態に手を加える方法の場合はNGCで何種類か表記があるようです。
(brushed:ブラシ掛け)
ブラシ目の跡が付いたりしますので、おそらくワイヤブラシみたいな真鍮などの金属ブラシでの錆取りや濃いトーンの洗浄目的の方法ですかね。
やはり一皮剥いたような見た目の表面状態となってしまいます。洗浄評価としては銀貨ではこれが一番良く見ます。
(smoothing:表面の平滑化)
こちらはbrushedより強い錆落としとして、ピンなどによる金属ツールでの錆落としや、錆や腐食によるコイン表面の凹凸を削って平滑にする加工に近い方法も入る、腐食しやすいブロンズコインで良く見る内容。
上記二つが比較的目にする機会が多い表記ではないでしょうか。
他にもsmoothingの中にはtoolingと呼ばれる打ち出しが不明瞭になった輪郭を削り出して明瞭にする方法があったり、洗浄後の人工的なトーン付けなど加工にも色々あるみたいですが、NGCに該当する表記があるかはよく分かりません。また、近代貨のCleaningのような薬品による洗浄の項目があるのかも今一分かりませんでした。
洗浄評価に抵抗のある人は私も含めて特に近代貨を集める方に多いのではないかと思うのですが、しかし、古代に関しては値段さえ折り合いが付けば古代コインの彫刻の素晴らしさを楽しむためなら、お値段が安くなる洗浄評価で良いグレードを入手するのも一つの手じゃないかなと思っています。
こうして並べて見ると、大型のテトラドラクマ銀貨の迫力と共に肖像の素晴らしさはまさに古代ギリシア美術ですね。
コインの収集本で近代貨収集の王道は大型のターラー銀貨というのを読んだことがありますが、古代コイン収集の王道はテトラドラクマ銀貨ではないでしょうか(お金が無いからデカドラクマ銀貨や金貨を買えないという事は突っ込んじゃだめよ。)
という事でそろそろプトレマイオスの銀貨を出品した理由を。
このアンティオコスを入手してしまった事でどうにも一緒に並べるのならもう少し良い物が欲しくなってしまったのです。
かつて買い逃した品を引きずっている事もあるのですが、打ち出しは前のプトレマイオスでも良かったものの、歪みの無い真円に近い物が欲しくなりまして、前回と今回の落札金の予算で良い物を探してみようかと思ったのでした。
平行して象の被り物タイプも探しますのでどちらが先になるか分かりませんが、何とか納得が出来る物を手にしてみたいです。
ではこんな所で。




