少し前になりますが、行ってきましたよ国立博物館のポンペイ展!

 

行かないと後悔するだろうなと思いつつ。ちょっと仕事的にあまり出歩くのはマズイと悩んでいたのですが、これ以上待つと春休みでさらに人が増える恐れが!

今なら人数制限もしているし、平日なら予約以外の当日入場券が売り切れていないようなので人数的には余裕があるだろうと、当日入場で入れなければ諦める事にして行きました。

 

が、痛恨の大ミス。せっかく写真撮影OKなのにカメラがSDカードの不良で使えず!

うぐぐ仕方がない最後の手段、助けてスマホーン!(実はスマホのカメラ機能使ったの初めてでして。最近のは結構使えるのですね。)

しかし、あまり拡大して撮影できないので小さいコインや宝飾品は撮れませんでした。遠足の持ち物確認は大事ねと反省です。

 

さて、ポンペイは古代ローマに興味がある方なら知らない人はいないでしょう。

ヴェスヴィオ火山の噴火によりローマ時代の街がそのまま埋没した為、考古学でも一級の重要度を持つ遺跡です。埋没品は保存状態が大変良いのも特徴で、まさにかつての古代ローマの生活文化や芸術を直接知ることができます。

今回の展示品は、ヘレニズムの影響を受けた都市国家の時代からローマ化された帝政期のポンペイが埋没するまでの間、(紀元前2世紀頃~紀元後79年)の芸術品や日常品といった所ですかね。

 

当日入場は直近の時間ですんなりと入れましたので、しょうがないと気を取り直して展示物を見ながらいくつかパチパチと撮影。有名な亡くなった方の石膏型もありますがこれはちょっと撮れませんね。

 

展示番号は前後して紹介していきますが、まず会場で最初に目を惹く、ポリュクレイトス「槍を持つ人」(前1~後1世紀)

 

オリジナルはギリシア時代のブロンズ像との事で、大理石の複製となります。

ポンペイのような地方都市でも豊かであれば、こうしてギリシア時代の有名作品から作られた彫刻が公共の場以外に個人宅にさえ置かれていたようです。

 

アウグストゥスの胸像。

後期アウグストゥス~ティベリウス時代(1~37年)

 

帝政ローマ初代皇帝ですね。

 

スフィンクスのテーブル脚。

アウグストゥス時代(前27~後14年頃)

 

アウグストゥス帝によるエジプトの属州化に前後して、当時のローマでは異国的なエジプト文化は大流行りだったそうです。古代はそれに宗教的な情熱も加わりますからね。ポンペイでもエジプトの神々が祀れていました。

 

アウグストゥス帝とスフィンクスというと思い浮かぶのがこちらのコイン。

ヘリテージオークションにて78,000ドル(BP含)で落札された、ペルガモンで作られたキストフォロスと呼ばれる銀貨。

 

アウグストゥス帝は自分の印章にスフィンクスの図柄を使っており、銀貨にもスフィンクスが彫られた物が作られています。しかし、人を食べる怪物はちょっと不吉では?という事で後にアレクサンドロス大王の肖像の印に変更してしまったそうです。

大変素晴らしいコインですが、これはもう博物館クラスで個人で持つようなコインでは無いですね。

 

アウグストゥス帝のコインの展示もありましたが、小さすぎて写真が撮れず。

説明文のアウレウス金貨のカプリコーン(山羊座)の図柄が素晴らしかったです。これは銀貨にも使われている図柄なので、いずれ入手候補にと考えているのですが、予算の余裕的にしばらくは無理です。

 

という事で、ちょっと展示物でコインに関係ありそうな事柄をつらつら。

擬アルカイック様式のアポロ

(前1世紀後半)

 

アルカイックスマイルというと、アテネのフクロウコインの女神アテナの図柄が有名ですね。ローマ時代では既に相当古い様式になりますが、擬アルカイックとして、こうして見事な彫像が作られていると当時の人達のギリシア文化への憧れが伺えます。

 

食卓のヘラクレス

(前1世紀)

 

こちらのブロンズ像は、hirame-hkさんがアジア古代コインのブログでバクトリアのコインを沢山紹介しておられますが、この腰掛けて棍棒を立てる、ヘレクレスと同じ図柄が使われているのを見る事が出来ます。

オリジナルはアレクサンドロス大王の彫像製作者で有名なリュシッポスの作だと言われており、ローマのコインにも同じ図柄が使われていたりするので、コインの図柄の参考にしていたのかもしれませんね。

 

サテュロスのオスキルム(吊り飾り)

(1世紀)

 

邸宅の中庭を取り巻く列柱廊の間などに吊るす飾りだそうです。聖具箱を開けるサテュロスが彫られているのですが、図柄が秘儀の聖具箱(キステ)という事で、上で書いたペルガモンのキストフォロスの名前はここから来てるのです。ペルガモンで作られたコインにはリースに囲まれた聖具箱が図柄として使われており、名前の由来なのですね。

ローマは貨幣単位の統一をしなかったので、東方属州では皇帝肖像のキストフォロスタイプの銀貨が長く発行されることになります。

いずれ入手出来たら紹介をしたいかと。

 

マケドニアの王子と哲学者のフレスコ画

(前60~前40年頃)

 

色彩の鮮やかさが素晴らしいです。

王子はアンティゴノス朝マケドニアのアンティゴノス2世だそうです。以前に紹介したデメトリオス(攻城者)の息子ですね。

父親がセレウコス朝に捕らえられてしまった後、彼の努力でヘレニズム国家のアンテゴノス朝は確立されたのですが、王子時代の教義を受けた場面が壁画の主題となったようです。

 

左側の槍を持つのが王子との事。

 

そして、置かれている盾の図柄は中央がマケドニア王家の象徴ヴェルギナの太陽。周囲の紋様はアンティゴノス2世のコインにも使われているデザインです。

ポンペイが噴火に見舞われた当時、マケドニア王家は既にローマ自らの手により滅亡していましたが、アレクサンドロス大王やそれに続く王家はローマ人の間に人気があり壁画やモザイクとして使われていたのですね。

 

ユピテルとユノの聖婚

(50~79年)

 

顔の部分が剥落してるのが残念ですが、ユピテルというとフィリッポス2世の銀貨で紹介したギリシア神話の主神ゼウスですね。

 

あと、見れて嬉しかった物。

ブドウ摘みを表した小アンフォラ「青の壺」

(1世紀前半)

 

濃い青のガラスなのですが案内や図録の写真のように綺麗な青には撮れませんでした。中か後ろに光源でもないと駄目ですね。

しかし、本物のカメオ・ガラスが見れるとは思っていなかったので感激!

以前アレクサンデル帝の記事で紹介した「ポートランドの壺」と同じように、白ガラスを削り出して下地の青を出した、カメオ・ガラスの技法で作られています。出土もネクロポリス(?)との事で、これも同じように誰かの副葬品だったのかもしれませんね。

 

写真多目の記事になりましたが、重かったらすみません。

ちょっと展示物が多いのでこの辺で一旦終了にしたいと思います。