今年も残す所あと少しになってしまいましたね。

フロアオークションが続く期間ですが、私は前回のクラウンともう一つその後に落札した物とで予算はスッカラカンなので来年まで終了!

紹介できる物も残り少ないのですが、そろそろ古代に戻りまして記事を書いていきたいと思います。

 

という事で手持ちの微妙なスタテル銀貨の一つ、コリントのペガサス図柄の銀貨の話を。

 

コリント 紀元前4世紀

スタテル銀貨

AU Strike4/5 Surface4/5

 

以前にシキオンのキマイラ図柄のスタテルを紹介しましたが、ペガサスも説明する必要はないくらいに有名ですよね。ペルセウスがゴルゴン(メドゥーサ)を退治した血から生まれたと言われますが、ギリシア神話や神話を題材にした物語にしばしば登場する聖獣ですね。

 

発行した都市コリント(コリントス)はペロポネソス半島とギリシア本土の付け根に位置しており、シキオンのお隣。

この都市はペガサスを駆りキマイラを退治した英雄ベレロポーンにより建設されたとされるので、お隣がキマイラならウチはやっぱりペガサスだよね!という理由なのかはさておき、大変見栄えのする素晴らしい図柄ですよね。

 

コリントはアテネが発展する以前にはギリシア世界で第一の海軍を保有し、海洋交易で経済的にも豊かな都市であり、植民活動にも熱心で(主にギリシア半島西沿岸)、植民や交易先の都市でなどで発行された同じ図柄のスタテル銀貨もあります。

前回のAWで出品されていたシチリアのシラクサ発行の物や、植民先のアカルナニア地方の各都市で発行された物が代表ですかね。

ちなみに、コリント発行の物はペガサスの下にあるϘ(コッパ)の打刻で判別できます。

 

コリントのスタテルはミントマークや手変わり品が豊富で種類を集めてみるのも楽しそうなのですが、AUグレード以上だと1,000ドルを超えてしまうコインですのでなかなか集めるのは難しそうです。紹介の物は馬の尾の部分が切れているのと表面の状態も良い方ではないので、1,000ドル付近で購入出来ましたが、このくらいは妥協しないと収集が進まないのも現状ですね。

 

妥協した物なのですが、ちょと私なりのこだわりがありまして、やはり本国コリント発行の物が欲しかったのと、図柄のペガサスの羽の部分が左右二枚重なっているタイプなのです。

図柄によっては片方の一枚だけだったり、浅打ちで反対側の羽が打刻されてない物もありますが、私は左右の羽が打ち出されてるタイプが好きなのでこちらを選んでみたのでした。

 

裏面はコリント式兜のアテナ。

裏面の状態がちょっと見れた物ではないのですが、刻印された図柄自体の作りは悪い物ではないと思います。

こういう亀裂ができる原因も興味深い事ではあるのですが(打ち出し前に表面が冷えすぎて割れてしまったのか、それともスラグかなんかの不純物が多すぎたのですかね?)コレクターとしては綺麗な物が第一ですよね。

 

それでも、ペガサス側はなかなか気に入っているのでキマイラのスタテル銀貨と一緒に並べて保管しています。神話の生き物を並べてみるのも良い感じですね。

 

微妙なスタテルはあともう一枚あるのですが、こちらはスラブの入れ替えを考えているので紹介はまたしばらく先になると思います。

 

ではこんな所で。