お久ぶりです。あれまっ、もう9月になってしまいましたね。

 

ちょっと忙しかったというか精神的に記事を書ける状態じゃなかったのですが、頭の中に色々書きたい事があるのに出力できないというのも精神に悪いなあと、モヤモヤしてたのでそろそろ書いてみたいかと。

 

今回はコインの話ではなく以前に話しました、ヴィクトリア女王とその時代の地理博物的なお話を。国内もヴィクトリア女王のコインも人気ですし、詳しい方も多いと思いますので私の好きな分野から見て思い付いた事をつらつらと。

 

女王の統治したヴィクトリア朝時代(1837-1901)のイギリスは大英帝国と呼ばれる世界中に植民地を持った最も繁栄した時代でもあり、近代産業革命を経た大衆化社会の始まりでもありますが、この頃は博物学と言われる動植物、鉱物学などの趣味が一般の大衆にも大流行りの時代でした。ちょっと詳しい方は植物のシダの飼育や、アクアリウムなんかも流行ったと聞いた事があるかもしれないですね。

産業化から水槽や植物飼育用のガラスドーム、研究用の器具が手に入りやすくなった事と合わせて、世界各地の植民地から集まる動植物もブームを後押ししたのでしょう。

 

社会階級や民族的な差別も根強く残る時代ではありますが、古き良き物を愛する人達には今でも人気の時代でもありますよね。

 

そんな中で新種発見された蝶にも女王の名で付けられた物がありまして、こちらのビクトリアトリバネアゲハOrnithoptera victoriae victoriae が女王の名で学名が記載されました。

 

島毎に亜種があって値段も結構ピンキリなのですが私のビクトリアは比較的入手しやすいガダルカナル島産。

 

うう…曲がった触角はちょっと直したいなあ。

 

以前紹介したアオメガネトリバネアゲハと同じソロモン諸島に生息しているトリバネアゲハの仲間となり、女王自身が蝶を見たのかは分かりませんが、女王の夫のアルバート公が進めて建設されたばかりの大英自然史博物館か、ロスチャイルド男爵のトリング博物館で当時も標本は見る事が出来たのではないでしょうか。

現在は昆虫の新種発見と言えばクシャミで飛んでいきそうな小さな種類が大半ですが、こちらは堂々の大型美麗種ですので女王も満足されたのではないでしょうか。

 

たしかアメリカ大陸の植物でリュウゼツランやオオオニバスの仲間、ニューギニアのハトの仲間のオウギバトなんかにもヴィクトリア女王の名が付けられているそうですが、有名な女王だけあって博物学者達も女王に新種発見を捧げたかったのかもしれませんね。

 

増大した収集物保管の問題で大英博物館から分離して建設された大英自然史博物館。入場料金が無料というのも良いです。

 

さて、イギリス本国を離れて植民地へと目を向けると私がちょっと紹介したいのはアフリカ大陸。

当時のイギリス領は大陸南端部の南アフリカに当たる地域を植民地としていました。

植民地時代のアフリカは暗黒大陸とも呼ばれた大陸中央部は手つかずの未知の地域として残されており、リヴィングストン等が探検を行う事によって徐々に知られるようになっていく時代でもありました。

 

探検の過程で発見されたヴィクトリアの滝や、ナイル河の水源を探す探検で発見されたヴィクトリア湖も女王の名で付けられた地理上の発見成果ですね。私はH.R.ハガードとかのアフリカの冒険小説も好きなので当時のアフリカへの憧れは小説の影響もずいぶんあったりします。

 

ケープタウンの国会議事堂のヴィクトリア女王像

 

最後にヴィクトリア湖に付いては私もちょっと思い入れがありまして、正確にはヴィクトリア湖が属するリフトレイクと呼ばれるアフリカを縦に横断する大地溝帯に沿って点在する湖の一つ、マラウイ湖に生息するアフリカンシクリッドと呼ばれる魚が好きで昔飼育していた事があるのです。

見た目は淡水魚というより、海水魚と間違われるようなメタリックブルーが美しい魚で、各湖に独自のシクリッドが生息していますので専門に飼育している方もいる魅力的な魚なのです。現在は水草水槽をやっているので飼育していないのですが、また飼いたいなと思わせる魚だったりします。

 

10年以上前の最古の写真ですが1枚だけ飼育していた時のが残っていました。

 

アフリカの話をして次といえばやはりインド帝国の話なのでしょうが、そちらはインドのコインの時にでもしようかと思いますのでひとまずこの辺で。

 

いずれその内に。

 

ではこんな所で。