明けましておめでとうございます。
今年最初のコインはちょっと良い物をという事で、シキオンで作られたキマイラのスタテル銀貨です。
シキオン 紀元前400-323
スタテル銀貨
Ch AU Strike4/5 Surface1/5 brushed Fine Style
テトラドラクマ銀貨はいくつか紹介しましたが、こちらはコリントやペロポネソス周辺で使われた重量基準で作られた銀貨です。
紹介のコインは12.2gなのでアイギナ基準のスタテルなのかな?
キマイラと言えば知らない方はいないでしょう。キメラとも呼ばれて異種同体、要は複数の生き物ごちゃまぜ的な言葉としても使われますが、元はギリシア神話に出てくる怪物であるキマイラから来た言葉ですね。
見ての通りライオンの体に背中からヤギが生えており、残念ながら打刻しきれていないのですが尻尾はヘビで、口からは火を吐くおっかない怪物です。
キマイラは小アジア(現在のトルコのアナトリア半島)南沿岸のリュキアにいたとされ、姿からの通り狂暴で、火吐きながら暴れ回る近隣の住人からしたら迷惑な存在だった為、ペガサスに乗る英雄ベレロポーンに退治されてしまいます。
キマイラの姿には色々と意味付けがあるようですが、由来の一つとしてリュキアの近くにある火山キマイラ山から、火口を火を吐く口と見立てて、山の中腹には山羊が放牧され、麓にはヘビが住んでいる、といった感じで付けられたともされるようですが、渋澤 龍彦氏か誰かの本ではそんな上手いこじつけ話があるかい!みたいな感じで書かれててどうも由来は諸説あるようですね。元は古代ヒッタイトの聖獣だったとも。
Wikipediaからアレッツォのキマイラ
ローマに先行した文明であるエトルリアで作られた青銅像だそうです。
キマイラ山の位置は良く分からないのです(ヤナルとも呼ばれるそうですが、それだとリュキアからだいぶ離れてしまうのですよね。)
発行地であるシキオンはギリシャのペロポネソス半島北東部にあった都市。アレクサンドロス大王の彫像製作者として有名なリュシッポスの生まれた地でもあり、芸術や多数のコインの生産地としても有名だったようです。
キマイラの図柄も中には野暮ったいと感じる物もあるのですが、こちらのすらりとしたライオンの姿は洗練されていて芸術性が高いと思います。最初に出品画像を見た際に一目惚れしてしまいました。
裏面はリースに囲まれたシキオンの象徴であるハトのデザイン。
図柄が綺麗に全て入っている事と、凹面なのでほぼ摩耗もなく美しく繊細な彫刻を見る事が出来ます。素晴らしいです。
ちなみにBC334年にはアレクサンドロス大王が傭兵を募った際に支払いとして作られた物もありまして(シキオンが実費で作ったのか、大王が銀を支払って作られたのかは私は良く分からないのですが。)、保管として退蔵された物が発見されているそうです。
ギリシア神話や古代~中世の博物誌に出てくる怪物が大好きなのと、デザインが素晴らしいので欲しかった銀貨だったのですが、同グレードで満点に近い物だと7,000~8,000ドル近い落札価格でとてもじゃないですけど手が出せません。
こちらはSurface1/5の洗浄評価ですので何とか手が届くかと挑戦してみました。結果は半分くらいの価格で落札。他にも欲しいコインはありますし、予算と状態の折り合いでの入手となりました。
表面はやはりブラシで磨いたのか一皮剥いたような感じにも見えますが、図柄は最高ですのでやはり入手して良かったなと気に入っていおります。しかし、やっぱりどうした物かと半年くらい紹介していなかったのです。まあ名品をあれもこれもという訳にはいきませんのでこれはこれで。実は他にも微妙な評価のスタテルがあるのですが、どうしよう…。
という事で今年も手持ちの古代コインを紹介していこうと思いますので、よろしくお願いいたします。
今年は古代以外も都市景観が1枚欲しい所ではあるのですが、これは予算と相談しながらですね。後は引き続き金貨!もうこれが手に入ったら私としてはほぼゴールですね。
ではこんな所で。





