ちょっと日数が開きましたが、ミネラルショーで購入したコインの話です。

 

帝政ローマ アウレリアヌス帝 270-275

アントニニアヌス銀貨

NGC評価はAU

 

本当はもう少し早く紹介するつもりだったのですが、ミネラルショーが終わってからインフルエンザに罹ってしまって一週間程寝込んでおりました。

マスクやうがいはしていたのですが、連続二日歩き回ってから体調が悪くてなり、とうとう本格的に発熱と頭痛で動けなくなってしまい、病院へ行ってようやく回復してから急いで仕事をまとめて何とか休みに入りました。皆様も体調には十分気を付けてください…。

 

 

さて、アウレリアヌス帝は三世紀の危機や軍人皇帝時代と呼ばれるローマ帝国が未曾有の混乱に直面した時代の皇帝です。

当時は蛮族の侵入が激化して国境は混乱、ササン朝ペルシアにはウァレリアヌス帝が捕えられてしまうという事態も発生。

更には西方のガリアがヒスパニア、ブリタニアとともにガリア帝国としてローマから独立、東方のパルミラもエジプトを加えた東方属州とともに独立、帝国は国土の分裂の危機にも直面する事になります。

 

次々と現れては蛮族との戦闘や仲間内の争いによって短命で倒れていく軍人皇帝達の中で、アウレリアヌス帝は筆頭すべき業績を残す皇帝となります。

蛮族との戦闘に勝利して国境を安定させた後は、まずパルミラを破り東方属州を再復、さらに返す刀でガリア帝国とも交渉によってローマ帝国に戻す事に成功します。分裂した帝国を再び一つに統合したアウレリアヌス帝は「帝国を再復した者」という尊称を贈られローマで凱旋式を挙げます。

 

また、首都ローマを防衛するアウレリアヌス城壁を建造したり、帝国の混乱によって悪化していた銀貨の価値を戻そうと改革も行いましたが、こちらは完全な解決とは行かず、銀保有量が5%以下となり重量も低下していた銀貨を、何とか保有量5%、重量は元の3.9gに戻す事ができただけでした。

 

帝国を混乱から救おうと奔走したアウレリアヌス帝でしたが、側近の個人的な恨みから暗殺され5年の在位で幕を閉じる事となります。

 

裏面は捕虜を踏みつける太陽神

 

5年という短命な統治になりましたが軍人皇帝では文句無く一番と思っているので、この時代のコインなら最初はやっぱりアウレリアヌス帝!と言う事で購入しました。

 

以前に書いたようにミネラルショーで販売されていたコインなのですが、ブースには50枚程の軍人皇帝時代の銀貨の中でアウレリアヌス帝は6枚程ありました。ただ優秀な皇帝にあやかってか後の皇帝達も彼の肖像で発行した物があるので、生前中に発行されたコインは1枚だけしかありませんでした。

 

Strike, Surface無しスラブでしたがこの時代はあまり状態にこだわってもしょうがないので、このコインに決定。お店の人もやっぱりアウレリアヌスだよねって感じで「グッドチョイス」とおだてられて購入しちゃいました。

 

見た目はやはり銀は5パーセントくらいしかないので一見して銅貨?な外見ですね。銀メッキされた物も見かけますが、私の購入したのは特に記載が無いのでメッキ無しなのかな?

軍人皇帝の肖像は、短く刈り込んだ頭髪と生やした髭で皆さん良く似た顔でややこしかったりするのですが、アウレリアヌス帝は特徴的なちょっと長い首が印象的ですぐ分かります。全体的なバランスは悪くは無い感じだと思っています。

 

軍人皇帝のコインは始めて購入しましたが、最初に好きなアウレリアヌス帝が買えてよかったです。

 

ちょっと病み上がりで体力が落ちているので、今年の更新は最後になるかもしれません。

来年は年末に購入したコインも届いていると思いますので紹介していきたいと思います。

 

ではこんな所で。