なんとか写真が撮れたのでちょっと更新を

 

皆様もコレクションの目玉となるコインがあると思いますが、私は古代コインが好きなのでヘレニズムの名品の一つ、リュシマコスが発行したこちらのテトラドラクマ銀貨となります。

今回はその話を。

 

トラキア王国 リュシマコス 紀元前305-281

テトラドラクマ銀貨

 

アレクサンドロス大王の死後、ディアドコイ(後継者)戦争の時代にトラキア地方を統治してトラキア王となったのが大王の護衛官の一人であったリュシマコスです。

ディアドコイ戦争では小アジアやマケドニアも支配地にしますが、後に疑心から息子を処刑した事で支配地の離反を招き、さらに後継者の一人であるセレウコスに攻め込まれ、その戦いの中で戦死します。

美しいコインを発行したリュシマコスですが、他の多くの大王の後継者達と同じように不幸な最後を迎えてしまいます。

 

 

NGC評価はCh AU Strike5/5 Surface4/5 Fine Style

 

頭にダイアデム(冠の一種)を着け、アモン神の角を生やした神格化されたアレクサンドロス大王のデザインは大変すばらしく、ぜひとも一つ手元に欲しいと思い運よく購入する事ができました。しかもペルガモンミント!

 

発行地である小アジアのエーゲ海側の都市ペルガモンは、ドイツのペルガモン博物館の大祭壇や羊皮紙の語源として有名な都市です。

豊かな都市らしくデザインや作りが優れている事から人気があり、表面のアレクサンドロスの下に彫られた”K”マークはNGCのラベルにも他のリュシマコス銀貨と別に記載がされており、VFグレードでもFine Style評価が付いているコインもありました。

 

 

裏面は女神アテナと手の上に乗る小さな勝利の女神ニケ

 

実はこのコインを購入する前にランプサコスで発行されたリュシマコス銀貨を持っていたのですが、状態に納得がいかずCh XFグレードの事もあってAU以上で入れ替えを考えていました。

初めは同じランプサコスで状態の良いものを探していたのですが、もう少し頑張れば憧れのペルガモンが手に入るかも…と思い始めてしまい、Ch AU以上でFine Styleや★評価が付くと1万ドルを超えるコインになりますので、なんとか資金を用意して外国の高額な取引は心配だったので代行でヘリテージオークションの入札依頼をしました。

 

 

かなり無理をして入札上限金額を設定しましたが、無事落札して手元に来た時は無理をした事など吹っ飛んでしまう程のすばらしいコインで、何かもう私のような半端コレクターが持っていて良いコインじゃないような雰囲気でした。他の収集コインを並べると釣り合いが取れないんじゃないかと心配してしまいました。

 

上を見れば切りがありませんが、私はこのリュシマコスで入れ替え完了としたいと思います。

 

まだまだ書きたい事はあるのですがとりあえずこんな所で。