君と恋と桜の樹 3 | drop of drop

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やっほー




朝食を食べ終わった私は早めに家を出た。

今度は男の悲しくて奇怪な人生を描いた小説を持って行った。

ある朝目覚めると、巨大な毒虫になっていたあの男。
林檎を投げつけられるような、醜い姿。

学校で読む気はないが、持っていく。

いつも一冊は本を持ち歩くのが、もう癖になっている。

歩きながら本を開く。

やはり、読まない。

読むのは手紙。

「あなたは、何を望むの?」

分からない。

「ねぇ、**。あなたは、なんて名前だったっけ…」

道端の樹からもれるあたたかな春の日差しが頬を撫でる。

幼かった頃の思い出が蘇った。

「あのときも一緒に走ったよね…?」
「誰と?」
「君と」
「いつ?」
「小さかった頃」
「そうかな」
「そうだよ」
「忘れたの?」
「忘れてないよ」
「そうだよね」
「うん」
「でさ」
「「君は誰?」」

……あれ?

私は何をしていたっけ。

…あぁ、学校へ行くのだった。

ボケっとしていてはだめね。

今、とても懐かしい着物姿の男の子がいた気がするけど。

きっと気のせいね。

あぁ、もう学校に行くのは嫌。

勉強なんてやりたくないわ。


「で、君は誰?」

「私は私」


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