君と恋と桜の樹 2 | drop of drop

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やっほー



でも、それは

「私の望みでしかない…」

苦くて甘い夢の中で死ねたら
それはきっと、とても素敵なことだ。

「あはは…」

自嘲気味に笑って、私はまた
本を開いた。


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朝、私は坂口安吾全集を持って
食卓へ向かった。

「紅蘭さん。朝食の用意ができましたよ」

道江さんが朝食を用意してくれている。

道江さんは若くて、とても綺麗な顔立ちをしている。
まだ20代というのに私の家で家政婦のようなものをしている。何故かは知らない。

「…薬が切れてて眠れなかったわ」

私は小さく呟いた。

「まぁ!なぜおっしゃてくださらなかったのです?きちんと予備はあったのですよ」

「ごめんなさい、今度からは言います」

「ええ、そうしてください。…学校はどうしますか?眠れていないのなら休んだ方が…」

道江さんはそう言って心配そうな顔をした。

「いえ、学校は行くわ。学業を疎かにするのは嫌なの」

「紅蘭さんは勉強熱心ですね。分かりました。では朝食をお食べになってくださいな」

テーブルの上にはトーストや目玉焼き、ヨーグルトなど、さまざまなものが用意されている。

道江さんの作る料理はいつも美味しい。

「いただきます」

トーストにはイチゴジャムとバターを乗せて食べる。香ばしさと甘さが混ざってとてもいい匂いがする。

そこでまた、全集を開く。

「紅蘭さん」

「ちょっとだけ。ね?」

道江さんは少し顔を歪めた後、苦笑いして部屋から出ていった。

きっと私のことを考えてくれてのことだろう。
私は人のいるところで読書はできない。

まぁ、でも、私は本など読んではいない。
読んでいる、ふり。

本当に読んでいるのは手紙だ。

「…あなたは何がしたいのかしらね…」

いくら読んでもその感想しか出てこない。


もう、いいのに。

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