招かれた家の中では
知り合いのご夫婦と
その息子が3人で食卓を囲んでいた。



夢にも関わらず
外からの雨音や雨の匂いが
鮮明に感じられ
何故か不思議な胸騒ぎを感じていた。



その瞬間
なにがどうなったのか
一瞬のうちに自分の身体が
赤ん坊の姿へと変わり果てていた。






白い発泡スチロールの箱に
まるで青果を包むかのように
身体は納められており
隣にはなにやら柔らかい
白い塊のようなものまで
詰められていた。



白い塊は躍動し
動きや形はまるで人の脳を連想させ
私のとなりで蠢いていた。



箱の外からは
ご夫婦と息子たちによる会話が
うっすらと聞こえる。



覚えていることは
息子たちはみな独身であること
息子のひとりは車が好きである



そんな会話を耳に
何も出来ない私はただ
箱の中で静かに眠っていた。



奇怪と言える恐怖はこの時のこと。



となりで蠢いていた白い塊から
“ドス”っと鈍い音が聞こえ
振り向くと、拳ひとつぶんの穴が
白い塊の中央に空いていた。



その穴からは
まるで膨らみすぎた風船から
勢いよく空気が逃げ抜けるように
大量の白い煙が噴射されており
煙と共に流れ出てきたものは
私自身の声と叫び。



その叫びがなんであるか
すぐに理解することができた。






“記憶”






流れ出た煙と声は過去の記憶であり
それまで自分が発してきた言葉や
思い、感情といったものが全て
溢れ出していた。



私は泣き叫んだ。
“やめろ!とまれ!止めてくれ!”
“自分が消えてしまう!”



それが全て外に溢れ出た時
自分の記憶が全て消えてしまう。
記憶が消えて自分が自分でなく
違うだれかになってしまう。と
そう無意識に感じ取れたからである。



しかしそれでも白い塊からは
止めどなく、そして勢いよく
煙と声が溢れ出つづけ
それを横目でただ眺めることしか
出来ない自分は無力であると。



そう思った瞬間に、ふと目が覚めた。



目が覚めると、身体は汗にまみれ
時刻はまだほの暗い明け方であった。












この夢がなにを意味するのか。
ただの夢であったのか。
また何かを知らせているのか。



昔からよく、不思議な夢や
悪夢にうなされることがある。




しかもそれらは鮮明で
今でも夢の内容を覚えている。



しかし大人になり
夢を見る数は減ったものの
ここ最近はまた頻繁に夢を見る。



奇怪な夢。
お寺や神社や鳥居
神仏像や地獄絵図
老婆に自身の子供の姿
見慣れない場所や町
海を見下ろす丘
そして大抵が夜であるか雨



前世占いと言うものを
過去に何度か遊び半分で
友人たちとしたことがある。



場所や占い方法は様々であるが
偶然か必然か、いつも結果は同じで
それにも意味があるのだろうか。



今日はどんな夢をみるのだろうか。