たいていアイドルがお笑い目指すと「ははは・・・」って苦笑い程度になるからやめてほしい(笑)

正直芸人さん以外そういうのに足つっこまないでほしいなぁ


 ペンライトの光がリズムに合わせて揺れる。総立ちのファンらが「推しメン」(一押しメンバーの略)の名前を連呼し、会場は異様な一体感に包まれた。大阪・千日前のなんばグランド花月の向かいにあるライブ会場は、ミナミを拠点に活動するアイドルグループ、NMB48の専用劇場として連日満席が続く。

 NMB48は、姉妹ユニットのAKB48などを手掛けた秋元康(56)がプロデュースし、2年前に誕生した。現在、研究生と呼ばれるメンバーを含めて64人が在籍し、吉本興業が名古屋市のパチンコ機器メーカーと設立した合弁会社がマネジメントを担当する。

 「メンバーの多くが関西出身ということもあって、お笑いが自然に染みついているんです。AKBさんとの違いも、自分たちがお笑いを意識しながらやっているとこですかね」

 チームNのキャプテン、山本彩(さやか)(18)は、グループの魅力を「お笑い」のセンスと強調した。

 正統派アイドルでありながら、お笑いタレントにもなれる。しかし、軸足を一歩間違えれば、アイドルとしてのイメージは崩れ、存在意義にも直結しかねないだけにバランスが難しい。

 NMB48運営事務局の二本木勇作(30)も、それは強く感じている。

 「『吉本所属だからアイドルとして育たない』みたいな声もありますが、『お笑いを意識しろ』とか指示したことは一度もありません。ただ、大阪で育ってきたから、AKBさんにもお笑いでは負けたくないという思いが強くなっているようです」

 「会いに行けるアイドル」のコンセプトでブレークし、社会現象にまでなったAKB48。リーダーの高橋みなみ(21)も「アイドルと笑いの両立は難しいかもしれないけど、アイドルだからおもしろくないというのもおかしい。いろんなチャレンジをして、ぶつかって、NMBらしい世界をつくってほしいですね」とエールを送る。

 ただ、在京の大手芸能プロダクション関係者は「アイドルという商品の特性上、お笑いは不利な要素になり得る」と指摘した上で、こう述べた。

 「AKBはメンバーの所属先が振り分けられ、個人の売り出し方もそれぞれ違うが、NMBは全員が吉本。彼女たちの思いとは関係なく、お笑いの企業イメージが足かせになることもあるんじゃないかな」

 吉本が目指すのは、アイドルとお笑いが「融合」した究極の進化形。バーチャルとリアルの間を漂うネット時代のアイドルマネジメントのヒントが、そこには隠されているのかもしれない。(敬称略)