認知症症状の方を介護しているご家族が
「家庭丸ごと引きこもり」
「認知症症状をひた隠す」
「認知症症状そのものを認めない」
「ふさぎこむ」
なんて事があります。
もちろん、
「こんな状態になったのを知られたくない」
とか、
「変な目で見られたくない」
とか、
「本当に分かっていない」
という場合もあります。
しかし、実はそれ以上に結構な確率で「引きこもり」「ひた隠し」「認めない」といった状態になる原因になりやすいのが
「周囲からのお世話焼き」であったりするという皮肉があります。
もちろん良かれと思ってとか、あなたのためを思っての事なんですが、
「こうするといいよ~」
「ああするといいよ~」
「あそこの医者が良いよ~」
「あの先生が良いよ~」
「コレが聞くんだってよ~」
「アレ試してごらん」
「これ食べてみたら?」
「あれ飲んでみたら?」
「こうすべき」
「ああすべき」
「あれが(以下略)」
「これ(以下略)」
…飽きてきたんでやめます(笑)
コレ(↑)をしてしまうと、介護者家族は著しく疲弊してしまうのです。
その通りにしないと申し訳ないし、かといってしないでいると「どうだった?」などと結果を求められたりします。
そうした意味では押し売りセールスマンよりも質が悪い。
まさに小さな親切余計すぎるお世話になってしまい、家族側が冒頭の状態に陥ってしまうのです。
要するに、家族がまだ求めてもいないのにアドバイスやら情報やらを押し売りするのはやめた方が良いってことです。聞かれたら知ってる範囲で答える。相当頑張っても「~してみてはいいかがでしょうか」で十分すぎます。
敢えて断言しますが、9割方要らない情報です。テレビで見た、ネットで見た、調べた、聞いた、訊いた、効いた、きぃぃぃ…となってます。
真面目な家族介護者ほどあっという間にうつ症状やら精神疾患やらを併発します。さらにはそうなってくると外野は「言う事聞かないから悪くなった…」だの「せっかく教えてあげたのに…」だのとなぜかトドメを刺しにかかります。
本当に止めた方が良いです。他人の不幸は蜜の味♪と吸いに群がっている行為です。
もちろん、助けるな、と言っているのではありません。しかし、紙一重だと言う事を知っておかないと、ただイタズラに家庭丸ごと兵糧攻めにしてしまいかねないんです。
求められてもいないことを先走って提供することは止しましょう。辛くなりますから。追い詰めてしまいますから。
「良くなった?」も止めておきましょう。良くなることは基本的にありません。なのに「良くなった?」と聞かれると、「私たちの介護が悪いからじゃないか」「私のせいじゃないか」みたいに捉えてしまいます。なんでって、身も心も疲弊している時は悪いようにしか受け止めないからです。
「ああしろ・こうしろ」系の話は避け、相手側が話しかけやすいように挨拶は爽やかに交わしておく、とかの助けを求めやすい状況を作ることの方が大切です。
「何か困ったことがあったら言ってね」
「入り用があったら遠慮しないでね」
「手が欲しい時は声をかけてね」
「手伝えることはない?」
…これくらいで良いと個人的には思うんです。
あとは…お見舞いと称して現金支援、が下手すると一番、かな。
~お読みくださいまして誠にありがとうございます~『おぢゃっこ俱楽部』