『お早よう』(1959)には、「 意味 」 の分かりづらい 「 逆配膳 」 があります。
酔っ払った東野英治郎が帰宅する場面。
食卓に、茶碗と汁椀が置かれています。
手前からは、「 正配膳 」 のように見えます。
しかし、ドンデンを返すと、
亭主席の 「 逆配膳 」 だとわかるのです。
この 「 逆配膳 」 には、どんな意味があるのでしょうか?
いろいろと推測はできるのですが、
この 「 逆配膳 」 は パロディ なのです。
以前に述べましたが、
『お早よう』はパロディ作品です。
小津監督が自作品を茶化し、パロディにしているのです。
『お早よう』
http://ameblo.jp/oduyasuji/entry-10906250243.html
『晩春』 『麦秋』 『お茶漬けの味』 『東京物語』 『お早よう』 と続いた、
意味のある 「 逆配膳 」 を、
ナンセンスなパロディにしているのです。
特に、 『お茶漬けの味』 の配膳を意識しています。
「 あれっ、配膳が逆!? 」
「 この夫婦、なんか変だな 」 と思うだけでいいのです。
この場面以降の小津作品には、
飯茶碗と汁椀の配膳は出てこなくなります。
( 別な形で、こっそりと 「 逆配膳 」 は出てきます)