クライマックスで、紀子は周吉と向かい合います。
紀子の首は、頻繁に曲がります。
表情や話し方も、かなり感情的です。
「私は良い人間じゃありません」(紀子)
「いやぁ そんなこたない」(周吉)
「昌二のことを忘れてる日が多い」(紀子)
「このままどうなるのかと心配になる」(紀子)
「お義母さまには申し上げられなかった」(紀子)
「あんたは良い人じゃ。正直で」(周吉)
「とんでもない」(紀子)
周吉から顔を背けます。
この時、紀子の頭に鈍く光る ヘアピン を見逃してはいけません。
ヘアピン は、「 被り物 」 の一種です。
紀子は 「災い」 を抱えていたんです。
周吉が動きます。
紀子は、また周吉から顔を背けます。
周吉が、紀子の左腕側に座ります。
「お母さんの懐中時計を貰っておくれ」(周吉)
「あんたが使えば、お母さんもきっと喜ぶ」(周吉)
「すいません……」(紀子)
「さきざき、幸せになることを祈ってるよ」(周吉)
こう言われて、紀子は泣き出します。
涙を拭く エプロン も ハンカチ もありません。
両手で顔を覆って泣くのです。
顔を向けている先に、周吉が居るのです。
紀子(原節子)は、頭のヘアピンを見せたまま、嗚咽しつづけます。
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