紀子と敬三 | 小津安二郎『東京物語』の謎解き

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今まで誰も指摘してこなかった、小津作品の「秘密の演出」や「謎」を解明していきます。

紀子の 「負の感情」 に、気づいている人がいます。


敬三です。



葬儀途中の紀子と敬三。
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敬三は、親孝行が出来なかった、と反省の弁を述べます。


そして、読経が行われている部屋に戻ります。


その時、紀子と目を合わせません。


無視しているような、嫌っているような態度をとります。



敬三は、紀子の 「 負の感情 」 に気づいているんです。


敬三には、紀子の心が読めるのです。


なぜなら、二人は似たもの同士だからです。



紀子も敬三も、周吉・とみをアパートに招きました。


紀子は二回隣室に借り物に行き、


敬三は二回医者を呼びに行きました。


「お医者さん、二回も呼びにいったり、えらい腐りや」


こう言って、職場の先輩に愚痴をこぼしました(1:28:40)。



二人とも、とみの死後に、反省の弁を述べます。


また、二人とも左右の手が器用です。


「 拾い上げる手 」 「 持ち運ぶ手 」 ともに、敬三は紀子と同じかもしれません。



そして、葬儀後の料理屋の場面です。
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最初は、紀子が提灯を被っています。


次に、敬三が提灯を被ります。


提灯は、「 電灯笠 」 の一種でしょうか。


何かの暗示ですね。



この料理屋でも、敬三は紀子を嫌います。


尾道の家に紀子がしばらく滞在することが分かると、


敬三は、大阪へ帰る、と言い出すのです。


出張の報告や、野球の試合があるから、などと急に言い出して。



敬三はあきらかに、紀子をひどく嫌っています。


それは、紀子の 「 負の感情 」 、


あるいは、 「 負の感情 」を引き起こす原因に,、気づいているからです。




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