黄金週間だ。
彼氏彼女のいる人たちはちょっとお金をかけたお出掛けなどの楽しい予定を遂行していることだろう。
彼氏彼女はいないが友達はいるという人はまあ、友達たちと小旅行にでも出掛けられるだろう。
彼氏彼女はいないし、友達さえいないという人たちは時間をもて余してしまい、ニュースの高速道路の混み具合を「ほら。」横目で見ながら薄く笑い、ネットのゲームにでも興じるしかないだろう。
世の中には一年中休みな人たちも居る。定年を迎えて家でゴロゴロしているおじさん達である。
彼らは誰よりも時間をもて余す。
今まで仕事ばかりやっていたから他にやることがないし、パソコンでネットをいじるなんて事がよく分かんなくて面倒くさいし、あんまり楽しいとも感じない。
どうにも仕様がなくてこの時期になって初めて奥さんにいろいろと構い出したりする。
奥さんにとっては鬱陶しいだけだ。
今さら昼間からあれこれ命令口調で喋りかけられたって、なによアンタは、という事になる。
それでも旦那さんは奥さんの事を愛していると思っている。
「お前が居たからこそ俺はここまで来れたんだ。」
奥さんはもちろん旦那さんの事を愛してない。数十年前から愛してない。
そこで奥さん同士でたまに集まっては旦那さんの悪口を言い合う。
「家にダラダラ居続けて勝手な事ばかり言うし、買い物にまでついて来るし、もうたまんない!」
夫婦の行き着く先なんてこんなものなのである。
何のために一緒にくっついたのかよく分かんないみたいな状況に最終的にはなっちゃうのである。
運命の赤い糸なんかどこを見渡しても今や見い出せず、ただ奥さんの胸中に灰色の蜘蛛の巣の糸が漂っているだけなのだ。
結婚とは何なのか? 老後の人生とはどうあるべきなのか?
とりあえず定年後のおじさん達は町内会でも何でもいいから既成組織の知り合い同士でダンシングユニットを組んじゃいましょう。
「O j i n48」とか「Sodai 53(ゴミ)」「Syotyu64(ろくよん)」とかいって、近くの公園などで整列をしてゆるやかに踊り始めるのです。
踊ると言っても派手な踊りなど出来ないし腰や膝がおかしくなるだけだ。
皆でリズムをとりながらゆるやかに両腕を左右に振るくらいでいいのです。定年後の暇で仕様がないおじさんたち、みんなユニットを組んでください。そして、日本全国のいろんな施設でボランテイアをしている少女たち。
障害を持った人たちとか児童の世話ばかりしていないで、おじさんたちのお世話もしてください。
あなたたちの世代は踊りはお手のものでしょう?
おじさんたちにボランテイアで踊り方を教えてあげるのです。
ボランテイアの労働としてはこれは極めてラクなはずです。これからの時代、若者は減っていくばかりで老人は増えていく一方なのです。老人にボランテイアをしなくてどうするというのか。
え? 彼らはわたしたちを必要としていない? そんな事はない。
彼らは踊りを教えてくれる若いあなたたちを手放しで喜ぶでしょう。
自分の娘たちにはとっくの昔に見限られ、相手にされてないんだから、新しい娘たちの出現には照れたりいきり立ったりで、生活の生き甲斐にさえなって行くだろう。
もう少し年輩のゲートボールなんかやっているご老人たちもいつまでもゲートボールばかりじゃマンネリ化で益々頭ボケちゃうに決まってんだからスッパリ足を洗ってボランテイアの少女たちにA K B の振り付けの千分の一くらいのカロリーの踊りでも教えてもらいましょう。デイサービスの老人ホームのお遊戯タイムでも♪ちーちーぱっぱとかやっているのだろうが、そんな子供の学芸会もどきなんかよりお孫さんみたいな女子ボランテイアにわけ分かんないうるさい曲をかけてもらい、踊りを指導してもらった方がよっぽど刺激になって長生きできるぜって。ユニット名は自嘲的に「お荷物、体重48kg」「老い先4年8カ月」「余命4時間80分」「忘れないでね四十九日♪」でいいじゃないですか。
使い道のない年金は彼女たちにおこづかいとしてバンバンあげたらいいんです。年に一回の老人同士の積立て旅行なんて、もう飽きてるはずですから、若いボランテイアたちに渡す「ほんの気持ち」を夜な夜なポチ袋に入れるような生活の方がよっぽどウキウキしてくるに違いありません。。
さあ、今までは徒党を組んで踊っているのは若者、中高生ばかりであったが、これからはちがう。
定年後おやじたちも死を目前にしたご老人たちも踊り始めるんです。
しかしそこには若い世代との連関性があり協力態勢がある。
若者たちは少しでも世の中に貢献した気分になれるし、老人たちも存在価値がないと感じていたのが一転して若返り、S K E やモモクロの歌まで覚えちゃったりして万々歳なんだから。
ここまで来たなら若い女の子たちは老人たちへの振り付け指導をビジネス化しちゃいましょう。いつまでもボランテイアばかりやってられません。
結婚資金も稼がなきゃならない。
徐々に「一時間の振り付け指導、幾ら」でご奉仕して行きましょう。
いったん生き甲斐に目覚めたおじんもご老人も今さらイヤとは言わないでしょう。すっかり顔馴染みになった女の子たちのためなら多少生活をきり詰めてでもお金をくれるにちがいありません。
別段オレオレ詐欺みたいな後ろ暗いことをやっているわけではないのだ。だから堂々とやりましょう。
たまにお金に困っている時には「♪ねえねえ…」とお孫さん感覚でおじいさまたちに甘えたらいいのです。
「♪今月ちょっと苦しいのオ…」
これからの時代、不法なオレオレ詐欺ではなく正当な♪ねえねえせびりで老人たちにお金を吐き出させましょう。