オーディションG O ! | せいたのすくわれないブログ

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ビッグスターさくら様と少女時代の夢の共演コンサートが正式に決まった。しかも趣向をこらして、新規の男性ユニットたちも参加させるのだという。
「さくら様のコンサートとあれば、われわれも手をこまねいているわけには行かんな。必ず参加するぞ。」
さくら様ファンクラブ代表せいたは、会員たちにユニットを組ませてオーディションを受けることをすぐに決めた。
一夜明けたテレビ局のオーディション会場。審査員がテーブルについて見守る中、一番手のファンクラブ会員たち。
「ユニット名、草原輝きボーイズ!」二人ひと組で牛のぬいぐるみを着ている。「モーモー。」「モーモー。」
計10人、5頭の牛が会場にあらわれた。先頭の牛がバランスをくずしてコケたので、後続の4頭の牛も先頭にぶつかって次々にコケてしまった。
「モーモー。」何とかかんとか立ち上がると整列して、正面審査員席の審査委員長に「モー。」と片足を振ってみせる。 ロック調の派手な曲がかかり始めた。今まで四つ足だった牛たちはやおら立ち上がると、左右に身体を動かして踊り始めた。
「♪モモモ、モーモー、もう青春ッ!モモモ、モーモーいま青春ッ!」
審査委員長が手を振って、やめるようにうながしたが牛たちはやめない。
「♪草を食べるだけ、だけど青春ッ!モモモ、モーモー、もう青春ッ!」
 最後にシンクロナイズスイミングのエンデイングのようにみなで集まってきて、両手を華々しく上にあげて笑った。

「頭おかしいんとちがうか?」
審査委員長は片手で両眼をおおってこめかみを押さえた。他の審査員たちはうつむいて失笑している。

「まずい雰囲気だな。オレが行く。」控室から見ていた代表せいたが、みずから会員数名を引き連れて審査会場に出て行った。
「ユニット名、症状時代!」
みな、身体にフィットした潜水服を着て、頭の上にはブーケ、手にはマラカス。
「♪愛して愛して愛してピー。
  ワンツースリーフォー愛して
  ピー。
  パパパパパパパ
  パピー♪パピー♪
  パパパパパパパ
  パピー♪パピー♪」

ハンカチで額をおさえていた審査委員長が「やめさせてくれッ。」と言った。
次のファンクラブユニット、
「ユニット名、前立腺肥大!」
クマさんの顔模様がたくさん入ったパジャマ姿だ。
「パス。」
審査委員長は人さし指を横に振った。次、せいた代表の信任の厚い副代表の添島と高橋。
「ユニット名、レデイガガーリン!」宇宙飛行士の服を着て出てきて、正面を見てつぶやいた。
「地球は青かった。」
音楽がかかった。
「♪ブルーO h ! ブルー! ブルー ッ、ブルーッ、イエイ♪ブル~~ッッ、ブルースブルー、ブルーレット ブルー、今だから言えるブルーライトセクスイ~~~ッ!!あなたは……」
「学芸会の出し物じゃないんだッ!」審査委員長は椅子から立ち上がった。「君たちはめったにお目にかかれない集団発狂かッ!?」
審査会場にさくら様が姿をあらわした。
「こんなことだろうと思っていたわ。」
審査委員長はさくら様に肩をすくめて両手を広げてみせた。
「使いますわ。あたし、どれもこれも…。」
「え?」
「とっても美しいんですもの。」
「美しいんじゃなくて、世のアホたちが頭をかいて逃げるような異常人類でしょ。」
「今からもう、本番に向けてレッスン始めるのよッ!」さくら様が手を打ち鳴らしだした。
ファンクラブ会員ユニットたちはさくら様の周りに集まり、ステップの練習に入って行く。さくら様が声をはげます。
「あ、ワンツー、ワンツー…
 まわって! ワンツー、ワンツー!
 いいわよ! ワンツー、ワンツー!」
審査委員長は隣りに座っているアシスタントの女性に言った。
「精神安定剤とブラックコーヒーをください。」