伊藤雅俊さんの『遺す言葉』は、私にとって運命的な出会いの本となりました。

ゆうべベッドで横になり読み始めたところ、たちまち夢中になってきて...ページをめくるたびに目が冴えてきて、結局一晩で読み明かすことに。

伊藤さんの人生に影響を与えたたくさんの方々との出会いや、人生を大きく変えるきっかけとなった本との出会いが、おだやかに、丁寧に、謙虚につづられていて。

とりわけ重要な影響を受けたのは異父兄とお母様と相談相手であり応援者でもあった地方百貨店経営者の関口寛快さん。そして...ドラッカーさん。

*  大の借金嫌いが育んだ社風
*「人ありき」の経営
*  理想の会社は「私たちみんなの会社」と呼んでいただける会社
*  創業=業を創る=無から有を創ること
*  時代と世代と年代

いろいろと考えさせられます。

根っからの商人である伊藤さんの数々のお言葉は、商人の家で育った私の心に響きまくりで。

第一線から退き、大株主として、企業が誠実であり続けるためになすべきことを考えるご自身の立場を「漬物石のような存在」とする伊藤さんの姿勢は、創業者として会社を立ち上げ、早い段階で経営から身を引き、監査役として関わることを選んだ今は亡き私の父の姿を思い起こさせ、心底打ち震えました。

「私がこれから話そうとするものは、一商人が歩んだ一世紀近い人生を振り返り、自分の孫や、世の中で働く、創業の苦労や喜びを知らない若い人たちに伝えたいと思う、遺言のようなものです」(序章より)

大企業であり優良企業である大会社の創業者である伊藤さんが、なぜこの本を今の時代の世の中に贈ってくださろうとなさったのか。

変化し続けることの大切さを知る人の、決して変化しない「人としての」軸。

いろんな意味で身の引き締まる内容です。

ドラッカーさんの観察眼を「虫の目、鳥の目、魚の目」と例える伊藤さんが、ドラッカーさんのことを「もう一人の自分」とおっしゃる意味もすんなりと伝わってまいりました。

この本を知っている人と知らない人ではその先の人生に大きな違いができちゃうんじゃないかしらという気がしてくるほど感動しました。

運命的な本との出会いは人生を変える。

ほんっと、佳き人生は人との出会いと本との出会いにつきますね。

ドラッカーさんの学びが土台にあるからこそ読みとけた部分も多い感じが嬉しいな。

読んだ人と「働く」について語り合いたくなります。

オススメ!!