ただ、”おいしい”と思ってくれる、”おいしかった”とジャッジするのは、あくまでもお金を
出して味わって下さったお客様であることを忘れないてはいけません。
卑近な例で申しますと、「ラーメン」と「カレー(ライス)」がありますね。
長年ずっと思うのは、どちらも非常に奥が深いメニューで、究極のところ、自分が”コレぞ”
と思う味に出逢うのは難しいなということです。
ズバリ、「好みの問題」
まあ、この二品を引き合いに出すまでもなく、「味噌汁」、「雑煮」にしても個人の好みが
違う訳で、「外食」に自分の”味のユートピア”を探す方が所詮無理なことかもしれません。
つまり、
人が「おいしい」と感じるポイントは、各自の育った環境、とりわけ物心つく頃から
「食」を担った母親の味のセンスに非常に影響されていることは想像に難くありません。
そして大人になるに従い、(裕福な家庭であるなら幼少期からすでに)色々な食材、料理を
口にするに伴い、「味覚」が鍛えられ、その人の”おいしさ”の基準が徐々に上がっていく
のだろうと思います。
ただ、どんなに”グルメ”気取りに「外遊」を謳歌したところで、仏様の手の平の上での戯れの如く、
私達の「舌」、味覚は、如何ともし難い「おふくろの味」に支配されているような気がします。
その証拠に、
どんなに行列ができるほどのラーメン店に入っても、「おいしさ」を見つけられなかったり、
”もちろんおいしい”が、これが自分の中で本当にベストと心底思えるカレーか、と言えば違うと
いうように、つまり、それぞれの作り手と、客との「味のミスマッチ」が毅然としてあることに
変わりはないのでしょう。
他の業界と違い、この点が非常にデリケートなところでもあると思います。
季節(旬)によって食材「そのものの味」が変わる。作り手によって「生かす味」が変わる。
体調によって「受け取る味」が変わる・・・。
そして、何より、
空腹時ではそこそこ甘くなる「基準点」も、そうでない状況では一気に厳しくなる、という風に
とにかく人の「味覚」の感度は不確実要素だらけだからです。
この点、
「首都圏の店舗」と「地方の店舗」での運営の違いが出てきます。
「コンセプト」、つまり、狙う「ターゲット層」で、”俺の味がわかるヤツだけが客だ”とする場合、
たとえ”その味”を好む人が少なくとも(ニッチ)、首都圏であればもともとのキャパシティが
大きいため商売が十分成り立ちますが、地方の場合は難しいことになります。
日持ちのするパッケージ商品にして、「ネット販売」で全国展開するなど、他の方法も
考えなければなりません。
”時代のトレンド”というファクターもあるかもしれませんが、この「飲食業」においても、
日々、食材の研究、調味料の研究、調理方法の研究等の研鑽を積むことが、結局は
確かなおいしさの基礎、「こだわり」の裏付けとなってブレず、お店のバックボーンとして
後々までファンを虜にすることになると思います。
