今日から、笑って過ごそうと、昨日思ったのに、
やっぱり今日も心の底から笑うことが難しかった。


日本人に日本語で声をかけてもらうよりも、英語の方が、
ものすごく直接的に聞こえる。


うまく説明できないけど、
あたしの英語力が乏しい分、そのニュアンスみたいのを
うまく解釈できてないのもあるのかもしれない。



今朝も、学校で、誰もいない教室にいた。
いつもそんなに早く来ることのないロシア人のパベルが、
後ろからものすごい大きな声であたしに声をかけて教室に入ってきた。



最初は別の話をしてて、
学校が終わったらあたしはオーストラリアを旅したいんだって話をしてて、
でも日本に7月に帰るから、
1ヶ月半くらいしか時間はないって話から、


「めぐみの家族と友達は大丈夫?」と聞いてくれた。
あたしは、冷静に答えて、
日本は今電気が足りなくて、
地域ごとに停電させてみんな生活をしてるっていう話をした。


でも、それをものすごく真剣に聞いてくれるその眼差しが、
いつもあたしの涙を誘うんだ。


あたしは、途中で話を終わらせて、目をそらした。
あたしがパベルの前で泣いても、何もいいことはない。
彼を困らせるし、そんなことしても誰も救われない。


それに気づいたのかは分からないけど、
パベルは全然別の話に話題を変えてくれた。



会う人会う人、みんなが日本を心配してくれる。
先生も生徒もみんな。


あたしに会うと、まずあたしの家族や友達の心配をしてくれる。
そして、あたしのことを心配してくれる。



今日、学校の後バイトへ向かうとき駅でもらった新聞の一面には、
生後4ヶ月の赤ちゃんを抱いたお父さんが、津波でなにもなくなった町に
立っている写真が大きく載っていた。



被災地では、赤ちゃんのおむつと、生理用ナプキンが不足して困っているって、
ネットに書き込みがあった。
今は何か対応があったのだろうか。


新聞には丸々3ページ、日本の地震についての記事と
写真が載っていた。


バイトに行ったら、
初めて会ったお客さんに
「君は日本人?」



と聞かれて
「そうです」と言ったら


「そう。
日本の地震はものすごく大変なことになったけど、
家族や友達は日本にいるんでしょ?
大丈夫?連絡はとれたの?」と、聞いてくれた。


「私の家族と友達は大丈夫です。」と答えたら、
ほんの少し笑って
「それならよかった。君は大丈夫?」と。



夫婦で来ていたお客さんで、旦那さんのほうが聞いてくれたんだけど、
奥さんも真剣にあたしの話を聞いて、
あたしの顔をずっと見てて、
涙が溢れそうになった。



あたしは、
ここでたくさんの人に声をかけてもらって、
そのたびに思う。


あたしに、あたしの家族の安否を聞くのは、
聞くほうに勇気がいるなって。



だって、無事じゃないこともあり得るから。


でも、たくさんの人があたしに会ってすぐに、
あたしの目を見て、真剣に聞いてくれる。



その温かさに、あたしは本当に救われている。



1人で、日本から離れてただでさえ孤独なのに、
ここではあたしには心を全てオープンにできる人がいないのに、



今はもっと日本と距離が離れてしまったような気がする。



うまく言えない。



でも、あたしも怖かったんだ。
ブの無事が分からなかったとき、これまでの人生でないくらい怖かったんだ。


泣いても1人なんだ。



地震があって、
あたしは自分が安心したいから、ブとスカイプで話そうかと思った。
彼にそう言おうと思った。


映像でもいいから顔を見て安心したかった。


でも、
やめた。


日本は今、電気が足りないんだ。


あたしは、電話で声を聞いた。
ちゃんと彼の声を自分の耳で聞いた。



だから、日本が停電しなくてよくなるまで、
スカイプはしないことにした。


今は、とっても複雑な気持ちで、
ただでさえ毎日に時間単位でムラがあったのに、


さらに今回のことがあって、
あたしの心の中は、めちゃくちゃに引っ掻き回されてる。


それでも、
被災した人のことを思ったら、あたしは幸せすぎる。



だから、やっぱり自分にできること、
あたしが今、すべきことを頑張ろう。


あたしは、オーストラリア時間では、
28歳になりました。


ここにくるとき、誕生日1人は悲しいなって思ったけど、
今は、誕生日プレゼントに1人になりたい。



1人で、英語の勉強を休憩して、
大好きな旅行のことを調べよう。
あたしが、今、一番嬉しい自分へのプレゼント。


パーティは、フランチェスカがやってくれるって言ってたから、
それは後日、楽しみにしたいと思います。



不思議。