メランコリック
何故に一人の夜更けには
古いレコード 決まって針落とし
もう聴き飽きた筈の唄
聴くでもなくただ垂れ流す
言葉に棘を求められ
あの手この手で武装して気付けば
大事な物に触れる手さえ
包む筈が握り潰した
宛も無く、ただ帰れず
他人だらけの街彷徨って
行き着いた店を追い出された頃は
新宿の明け方
掛け違えてきた理想との距離は
小さな僕の背伸びでは埋められず
知っちゃいながらそれより先は
諦めた自分が嫌いだ
何を求めているかさえ
わからないまま夢中を演じては
着くはずのない行き先を
見失い頭抱える
いつか嫌った汚れ等
進んで纏う程ではないけれど
いつからか抵抗は消えて
大人になってしまったんだ
愛求め、愛に怯えて
一人窓のない部屋逃げ込んで
引き摺り出してくれる手を黙って
期待しているだけ
媚びない姿を演じ続けては
それ求める人へと媚を売る
支持してくれる人に甘えて
バランス保つ弱い自分だ
掛け違えてきた理想との距離は
小さな僕の背伸びでは埋められず
知っちゃいながらそれより先は
諦めた自分が嫌いだ
そんな事実すら認められなくて
また今日も少しずつ距離は空く
そうしてきっとそれに合わせて
演じる術もまた見つける