ここ最近、わけもなく体が火照ったり、動悸息切れがしたり、やたら汗をかいたりする。
何じゃこりゃ~と思う症状も、幾つかあり。
バイタルは異状ない。先月受けた健診の結果も、所見なし。
もしかすると、更年期か…
男にも更年期があるとは、聞いたことがある。
それなら、気にしてもしょうがないが、やっぱり気になる。
ところで最近、とある地域イベントのステージを依頼された。内容は全部こちらにお任せという、美味しい話。しかも…金になる!(嬉しい)
そのイベント、去年は地元では割りと有名なプロのシンガーソングライターが、受け持っている。
これは!やるしかない!そう思って、依頼を引き受けた。
金に…なるから。(賤しい)
とは言うものの、自分一人じゃ荷が重すぎる。
だから、信頼している仲間に声をかけて、一緒にステージを作ろうと思案していた矢先…。
九月にビアノの発表会を控えた娘が、突然「ねえ、お父さん。発表会で連弾しよう♪」と言ってきた。しかも、やる曲までも嫁さんと相談して、だいたい決めている。
実のところ困惑した。何故なら娘と連弾なんて、彼女がまだピアノを習い始めて間がない幼稚園の頃にやって以来だから。
ところが今では、もはや比較にならないほど娘のほうが上手だ。
しかも発表会のある日は、金になる演奏をする翌日だ。(未練がましい賎しさ)
困ってしまった。
私は、人様の前で演奏する機会は少ない。
だから、手は抜きたくない。手を抜くようになったら、もう自分の音楽生活は寿命だ。
そうなったら恥ずかしくて、もう人様の前では二度と演奏しない。
本気でそう思っている。だから、娘からの誘いに困ったのだ。
二兎を追えば、どっちも練習が中途半端になってしまう。それでつまらない演奏しかできないのは、これまで痛い思いをした経験上よく知っている。
さて、どうする。これは中途半端にはできないぞ。
ひと晩考えて、イベントの演奏依頼を辞退した。(これには、まだ他の理由もあるのだけれど)
私が欠けても、若いミュージシャンにも先方から声がかかっていたのを知ったので、大丈夫だ。
娘のピアノ発表会で連弾するのは、父親としての私しかいない。
娘が私を、自発的に連弾に誘ったことからも分かる。
だから、連弾を選んだのだ。
さて、なぜ娘が突然に連弾したいと言ってきたのか。
たぶん私の体の状態から、お父さんとの想い出は、今しか作れないと思ったのだろう。
とにかくそう決めたからには、九月の発表会まで、本気で練習する。そして、どうしても難しいフレーズは、嫁さんに譜面を簡単にしてもらう。
とにかく、娘と楽しまなくちゃ!
数こそ少ないけれど、いただいた演奏の機会を大切にし、丁寧に演奏するという信念を貫くのじゃ!
しばらくは、フォークシンガーは封印するけれど、お声をかけて下されば、直ぐに開封しますよ。(優柔不断)
知名度が多少上がり、自己満足さを味わえ、しかも金がもらえる(未練がましい賎しさ)ステージの依頼。
それより、金にはならんし知名度が上がるわけでもないが、娘と私の、それぞれの心には同じ想い出が宿る道を選んだ。
それでいい。