静かな暮らしの中に | フォークシンガー「おだしょう」〜夕暮れ時は楽しそう♫

フォークシンガー「おだしょう」〜夕暮れ時は楽しそう♫

若い頃に戻りたいなんて、全然思いません。人生は夕暮れ時からが楽しい。
音楽を通じて、出会った素敵なエピソードを綴ります。

日々の仕事の中で、被爆者の方々から相談を受けることがあります。


たいていは、被爆者の各種手当に関わる申請のこと。


この手の申請書には、特に労せず記入できるものと、そうではないものがあります。



医療特別手当の申請が、まさにそれです。Drからの意見書や証明が必要な他、申請書には被爆時の状況を詳しく記入しなければなりません。


申請者ご本人には、記入が困難な場合も少なくありません。もうかなりの高齢になっているし、何せ七十年も前のことですから。


こうしたケースの場合、ご本人から聞き取りをして申請書の作成につなげます。まさに昨日がそうでした。



当時の記憶をゆっくりと聞き取っていくと、断片的な記憶が少しずつ出てきます。それを時系列につなぎ合わせていくのですが、その過程で、ご自身でも本当は思い出したくないようなエピソードを語られることもあります。


中には軽々しく聞いてはいけないような内容もあり、こちらの感情が大きく揺さぶられるような、すさまじい内容もあります。



自分としては仕事として聞き取っているのですが、ご本人からすれば被爆もしていない若造(中年ですが)にいろいろ聞かれるのですから、複雑な感情を抱かれる場合もあるかと思います。当然です。



オバマ大統領が広島にやって来たことについて、国内外は大騒ぎしたようにマスコミでは伝えています。


実のところ私は、大きな関心を抱きませんでした。



昨日のように、慎ましく静かな暮らしの中にある被爆者の方から、相談が寄せられる。すると、こんな自分に何ができるのかを考えます。



医療特別手当、いわゆる原爆症認定はハードルが高いのですが、今回申請に関わった方へ認定が出ることを祈りつつ、申請書を一緒に作成しました。