おらは、これから、どこさ行くの?

神社の、苔むした参道の先に、現場があった。

神社の裏には、ログハウスがあった。
おそらぐここだべな、現場はな。
中さ入れてもらえば、あとはどうにかなるもんだ。
ここには似つかわしくねえけど、パソコンでパワーポイントの資料を使って、福祉制度やメンタルヘルスの話をした。
「メンタルヘルス」って、なに?
会場から問われた。
精神保健に関わることだと説明したら、益々わからないと言われる始末。
「ココロの健康と、穏やかに生活を送るための、ちょいとした工夫です」
あ、何となく分かったと、会場から声が聞こえた。
話を続けていくと「アンタはミュージシャンなんだろ?話ばかりじゃつまんねえから、何かやってや!」
オラは、自分からそんな話など一切していない。
確かに音楽レクリェーションを、他の集会所で、一時間一本勝負でやった。
それが知られていたんだ。
ありがたいが、もうやるなと職場長から言われでいる。
んだどもよ、土地の方からやってくれと言われりゃ、やるべ。
当たり前だべ。
オラの人生が、かかってんだ。
出演料は、心尽くしの昼ごはんだ。

ありがたい。
みんなで食べる前と、食べた後に、合掌して言葉を唱えるんだ。

自然の恵み、仏さまの恵みに感謝する生活が、まだあるんださ、ここには。
合掌