ひと冬の経験 | フォークシンガー「おだしょう」〜夕暮れ時は楽しそう♫

フォークシンガー「おだしょう」〜夕暮れ時は楽しそう♫

若い頃に戻りたいなんて、全然思いません。人生は夕暮れ時からが楽しい。
音楽を通じて、出会った素敵なエピソードを綴ります。

「あんた、初めてじゃないね?」


卒業を間近に控えた高校三年の冬。俺が、まさに発車しようとする刹那、ヤツはそう言った。


「う~ん…本当に初めて?それにしては、テクニックあるね」



俺は黙ってヤツの言うことを聞いていたが、その通りだ。さすがにプロ。とうに見抜かれていた。


「うん、唸るほど上手いね。スムーズだ」


俺はゆっくりと、スタートさせた。


「教習の初めっから、エンストさせずに発車できるなんてね。びっくりしたよ」


運転免許を取りに行った先で、教官がそう言った。


そりゃそうだろう。大きな声じゃ言えないが、無免許で運転したことが何度もあるから。


当時は、今とは違ってAT車は普及していなかったし、ましてやAT限定免許などあるわけがない。

だから、いきなりマニュアル車から教習が始まる。


今日は長距離運転をした。

ハンドルを握りながら、その時を思い出す。

AT車に慣れきった俺に、熱い魂が甦ってきたぜ。


あ~あ。またやっちまった。

しょうもないブログになったな。