僕が初めてその人を訪ねたとき、その人は肩をすぼめて背中を丸め、汚れた座布団の上にいた
オレがワタシが
僕の身の回りには目立ちたがり屋さんが、わんさかといる
オレがワタシが
もういいよ、放っておいてくれ
オレがワタシが
だからどうした
オレがワタシが
顔も見たくないし声も聞きたくない時が、あるんだよ
オレがワタシが
僕は疲れて、いつしか一人になる
オレがワタシが
その人は僕をみて、ゆっくりと微笑んだ
オレがワタシが
肩をすぼめて背中を丸めたその人は、自分が敷いていた座布団を僕に差しだし、そこへ座るようにすすめてくれた
オレがワタシが、どうでもよくなった
ひっそり慎ましやかに、それでいて強く生きる人が目の前にいる