★【THE MUSICAL LOVERS】ミュージカル『アニー』
エンタメ特化型情報メディア SPICE by イープラス 連載更新情報
ミュージカル『アニー』連載
第42回(2022.1.12更新)
丸美屋食品ミュージカル『アニー』クリスマスコンサート2021 レポート~クリコン史上、初の全曲コンサート
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★Notice!
ブログはすべて ネタバレ です! ※当該内容を知りたくない方は、ご自身で避けてください※
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ミュージカル『ミルコとカギロイの森』
を 配信で観ました。
何演もしていて その都度 魅力的なジュニアキャストに魅かれていたものの
毎回タイミングが合わず(お値段もけっこうするので・・・)
今回が 初見です。
カギロイの姫役が ずっと 木村花代さま(木、村、花・・・お名前自体、カギロイの姫っぽい!)
だったのが 沼尾みゆき様に。
(グリンダ様枠 なのかしら?!)
沼尾さま、『WICKED』グリンダ様、何十回も 拝見しております。
HIKARI組 SORA組の ダブルキャスト。
どちらも魅力的でしたが
(もう1組観る時間は 元々なかったのです)
リアタイできる 昼間のSORA組を選びました。
主演のミルコ役は、ミュージカル『ニッキー』アリス役で
澄んだ歌声を聴かせてくれた 矢山鈴さま
です。(2020年・2021年『アニー』モリー役 矢山花さまの お姉様!)
さて、画面の前で ワクワクしながら
リアタイし始めたのは いいものの、
早々に中断せざるを得なくなり、
部屋に戻った時
ミルコが
「もうやめませんか・・・」
もう、終盤に近づいていて、しかも
わたくし、初見だというのに
草木に水が しゅわーっと沁みていくように
何があったか すっ と 心に溶け込む その言葉。
相手の心に届くように、ミルコ自身が心から言っている。
とても演技には見えなかったのです。
追って アーカイブ再生で 全編観ましたが
ここは、無益な争いを止めようとする場面。
わかってもらえない相手に
「もう、やめませんか?!」と強く言ったり 大袈裟に怒ったりという演技はせず
とにかく、自然で
全編にわたって
清々しいほど 「自然の中の一部である人間」である ミルコ。
ミルコが元々住んでいた地では 人間が科学の力を濫用し、
病気をしない家畜、一気に工場で育つ植物を作るという政府の方針。
だから植物を愛で、その声を聞くようなミルコは 異端児。
政府によって没収された草花の種鉢を 1鉢だけなんとか救い出し、
毎日水をやり 光に当て
一歩一歩 ゆっくり 自然の摂理に沿って育てていく。
育ったのは「妖精草」。
ミルコは妖精草と友達になる。
そんなミルコは政府にとってみれば 反逆者。
住んでいた地を追われ、一人で遠くの村へ行くことになる。
流刑のように行った先は、
土を耕し、自然のままの生活をする村で、
草花とお話しても、それは「普通」のこと。
ミルコのような存在は ちっとも不思議ではない。
むしろここが 初めての居場所になるミルコ
平和に見える村だけど、ウルフ将軍が、覇権を握るべく
カギロイの姫だけが持つ、天気を司る羽衣を盗み・・・
といった話です。
だからといって 道徳の教科書みたいなものではなく
何より曲が良くて、「ミュージカル」として とても楽しい。
ケルト風音楽や、弾むような楽しい歌、機械的で恐怖を感じる曲、美しい旋律、バリエーションも豊かで、
機械的でダークな都会の音楽から、村のケルト風音楽への転換も お見事でした。
そして、ジュニアキャストがお話のメインながら、
彼ら・彼女らが びっくりするほど
歌がうまい。
音が取れている、声が出ている、というだけではなく、
その声、その歌い方で、そのキャラクターがわかるのです。ベテランか?
でも初々しさもあって そのバランスが絶妙なのです。
さらに、
全員わざとらしくない見せ場があり、聴かせどころがあるのは ホッとしました。
時々 遭遇してしまう
「人数を出しまくって チケットを売らせるためだけ」にしか見えない役って
観ている側が すごく嫌な気持ちになるので・・・
(人数を不必要に出して親戚に売らせるようなノルマ手法を子どもに使うの、マジで 搾取にしか見えないので やめてほしい。コロナ禍で減ったと思うけど・・・)
小さな花(稲田 ゆりかさま、土井 祐杏貴さま、芹澤 奈夏さま)たちの 正直で 大きな勇気、
3人揃った ダンスとハーモニーがキュート!(『アニー』ダンスキッズだった土井 祐杏貴さまは 歌もうまいんだなぁ~)
森に響く アマリリス(村上 華さま)の 優しい歌声、
ミルコと行動をともにする勇者たち(佐々木 仁那さま、中嶋 尚哉さま、神澤 七緒さま)の活躍、
剣、学問、薬草、仲間 & ダンジョン感があって心踊る!
神澤さま、2022年の『アニー』出演 楽しみ~!
どの役も印象的でしたが
愛らしい妖精草(寺田 美蘭さま)、勇敢に正義を貫くリトルウルフ(占部 智輝さま)、
迫力のボダイジュ(佐々木 佳音さま<キーリー!>)、悪と寂しさと忠義と権力に揺れるフォックス(陣 あいりさん<モリー!>)に
心打たれました。
最近、漫画『ぼくの地球を守って』を 一気読みしたばかりなので
ありす(ミルコ)と木蓮(カギロイの姫)が、この世でもあの世でもない森で出会ったような
シンクロも感じたので、余計に響きます。
小さな花・すずらん の死の際、
死ぬ=輪廻(土の栄養となって・・・)という『ぼく地球』世界には ならないのか、と 一瞬 思いましたが、
このミュージカル、すずらんは、植物というより
「唯一無二の存在」という観点で、
「誰かにとっての友だち」という描かれ方なのですね。
(ちなみに、
すずらん他、無益な戦いで散った命は カギロイの姫が 地上での姿をなくす代わりに 生き返りました)
『ぼく地球』の木蓮は、歌で植物を育てることができる存在で、地球の大気になりたい、と望んでいた。
カギロイの姫は、光に姿を変え、生命に命を降り注ぐ存在となった。
『ぼく地球』の主人公ありすは、植物(動物も)の気持ちがわかり、彼女が歌うと草木が育つ(木蓮の生まれ変わり)。
ミルコも、植物と会話ができ、動物の気持ちがわかる。
本心を隠していたフォックスの目から 本質を見ることができる。
もし『ぼく地球』を実写化する際は、矢山鈴さま、ぴったりだと思う。
なんとなくルックスも似ているし・・・
『ニッキー』に続く、二度目の「ありす」、いかがでしょうか?!
『ぼく地球』で、ありすが輪に 球根を買ってあげるのと
『ミルコ・・・』の このシーンも 重なるものがあります。
それにしても、舞台の配信は、本当にありがたい。
感染者が増えているから、というのもあるけれど、
実際に行くとなれば
往復3時間+上演2時間20分+余裕をもった行動=6時間、
そこまでの時間は 公園期間中 取れなかったし、
さらに今は、体調だって 誰もが明日どうなるか 定かではない状況。
カメラワークも映像も綺麗、
お財布にもちょっと優しく、
一気に観る時間が取れなくとも、分けて観られる、
トイレの心配もない、
オリジナルミュージカルの強みで、アーカイブもあって、
気に入った部分をリピートできるし、
本当にありがたいです。
一時期、配信というものが 減ったけれど
コロナに関係なく、いつどんな世の中であっても、
誰もが劇場に行けるわけじゃない。
「配信は演劇か演劇じゃないか」なんて議論もあったけど、それは
健康かつ金銭的強者のセリフだと思う。
配信という選択肢は、コロナ禍以降も残ってほしいものです。
エンタメ特化型情報メディア SPICE by イープラス 連載更新情報
ミュージカル『アニー』連載
第42回(2022.1.12更新)
丸美屋食品ミュージカル『アニー』クリスマスコンサート2021 レポート~クリコン史上、初の全曲コンサート
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★Notice!
ブログはすべて ネタバレ です! ※当該内容を知りたくない方は、ご自身で避けてください※
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ミュージカル『ミルコとカギロイの森』
を 配信で観ました。
何演もしていて その都度 魅力的なジュニアキャストに魅かれていたものの
毎回タイミングが合わず(お値段もけっこうするので・・・)
今回が 初見です。
カギロイの姫役が ずっと 木村花代さま(木、村、花・・・お名前自体、カギロイの姫っぽい!)
だったのが 沼尾みゆき様に。
(グリンダ様枠 なのかしら?!)
沼尾さま、『WICKED』グリンダ様、何十回も 拝見しております。
HIKARI組 SORA組の ダブルキャスト。
どちらも魅力的でしたが
(もう1組観る時間は 元々なかったのです)
リアタイできる 昼間のSORA組を選びました。
主演のミルコ役は、ミュージカル『ニッキー』アリス役で
澄んだ歌声を聴かせてくれた 矢山鈴さま
です。(2020年・2021年『アニー』モリー役 矢山花さまの お姉様!)
さて、画面の前で ワクワクしながら
リアタイし始めたのは いいものの、
早々に中断せざるを得なくなり、
部屋に戻った時
ミルコが
「もうやめませんか・・・」
もう、終盤に近づいていて、しかも
わたくし、初見だというのに
草木に水が しゅわーっと沁みていくように
何があったか すっ と 心に溶け込む その言葉。
相手の心に届くように、ミルコ自身が心から言っている。
とても演技には見えなかったのです。
追って アーカイブ再生で 全編観ましたが
ここは、無益な争いを止めようとする場面。
わかってもらえない相手に
「もう、やめませんか?!」と強く言ったり 大袈裟に怒ったりという演技はせず
とにかく、自然で
全編にわたって
清々しいほど 「自然の中の一部である人間」である ミルコ。
ミルコが元々住んでいた地では 人間が科学の力を濫用し、
病気をしない家畜、一気に工場で育つ植物を作るという政府の方針。
だから植物を愛で、その声を聞くようなミルコは 異端児。
政府によって没収された草花の種鉢を 1鉢だけなんとか救い出し、
毎日水をやり 光に当て
一歩一歩 ゆっくり 自然の摂理に沿って育てていく。
育ったのは「妖精草」。
ミルコは妖精草と友達になる。
そんなミルコは政府にとってみれば 反逆者。
住んでいた地を追われ、一人で遠くの村へ行くことになる。
流刑のように行った先は、
土を耕し、自然のままの生活をする村で、
草花とお話しても、それは「普通」のこと。
ミルコのような存在は ちっとも不思議ではない。
むしろここが 初めての居場所になるミルコ
平和に見える村だけど、ウルフ将軍が、覇権を握るべく
カギロイの姫だけが持つ、天気を司る羽衣を盗み・・・
といった話です。
だからといって 道徳の教科書みたいなものではなく
何より曲が良くて、「ミュージカル」として とても楽しい。
ケルト風音楽や、弾むような楽しい歌、機械的で恐怖を感じる曲、美しい旋律、バリエーションも豊かで、
機械的でダークな都会の音楽から、村のケルト風音楽への転換も お見事でした。
そして、ジュニアキャストがお話のメインながら、
彼ら・彼女らが びっくりするほど
歌がうまい。
音が取れている、声が出ている、というだけではなく、
その声、その歌い方で、そのキャラクターがわかるのです。ベテランか?
でも初々しさもあって そのバランスが絶妙なのです。
さらに、
全員わざとらしくない見せ場があり、聴かせどころがあるのは ホッとしました。
時々 遭遇してしまう
「人数を出しまくって チケットを売らせるためだけ」にしか見えない役って
観ている側が すごく嫌な気持ちになるので・・・
(人数を不必要に出して親戚に売らせるようなノルマ手法を子どもに使うの、マジで 搾取にしか見えないので やめてほしい。コロナ禍で減ったと思うけど・・・)
小さな花(稲田 ゆりかさま、土井 祐杏貴さま、芹澤 奈夏さま)たちの 正直で 大きな勇気、
3人揃った ダンスとハーモニーがキュート!(『アニー』ダンスキッズだった土井 祐杏貴さまは 歌もうまいんだなぁ~)
森に響く アマリリス(村上 華さま)の 優しい歌声、
ミルコと行動をともにする勇者たち(佐々木 仁那さま、中嶋 尚哉さま、神澤 七緒さま)の活躍、
剣、学問、薬草、仲間 & ダンジョン感があって心踊る!
神澤さま、2022年の『アニー』出演 楽しみ~!
どの役も印象的でしたが
愛らしい妖精草(寺田 美蘭さま)、勇敢に正義を貫くリトルウルフ(占部 智輝さま)、
迫力のボダイジュ(佐々木 佳音さま<キーリー!>)、悪と寂しさと忠義と権力に揺れるフォックス(陣 あいりさん<モリー!>)に
心打たれました。
最近、漫画『ぼくの地球を守って』を 一気読みしたばかりなので
ありす(ミルコ)と木蓮(カギロイの姫)が、この世でもあの世でもない森で出会ったような
シンクロも感じたので、余計に響きます。
小さな花・すずらん の死の際、
死ぬ=輪廻(土の栄養となって・・・)という『ぼく地球』世界には ならないのか、と 一瞬 思いましたが、
このミュージカル、すずらんは、植物というより
「唯一無二の存在」という観点で、
「誰かにとっての友だち」という描かれ方なのですね。
(ちなみに、
すずらん他、無益な戦いで散った命は カギロイの姫が 地上での姿をなくす代わりに 生き返りました)
『ぼく地球』の木蓮は、歌で植物を育てることができる存在で、地球の大気になりたい、と望んでいた。
カギロイの姫は、光に姿を変え、生命に命を降り注ぐ存在となった。
『ぼく地球』の主人公ありすは、植物(動物も)の気持ちがわかり、彼女が歌うと草木が育つ(木蓮の生まれ変わり)。
ミルコも、植物と会話ができ、動物の気持ちがわかる。
本心を隠していたフォックスの目から 本質を見ることができる。
もし『ぼく地球』を実写化する際は、矢山鈴さま、ぴったりだと思う。
なんとなくルックスも似ているし・・・
『ニッキー』に続く、二度目の「ありす」、いかがでしょうか?!
『ぼく地球』で、ありすが輪に 球根を買ってあげるのと
『ミルコ・・・』の このシーンも 重なるものがあります。
それにしても、舞台の配信は、本当にありがたい。
感染者が増えているから、というのもあるけれど、
実際に行くとなれば
往復3時間+上演2時間20分+余裕をもった行動=6時間、
そこまでの時間は 公園期間中 取れなかったし、
さらに今は、体調だって 誰もが明日どうなるか 定かではない状況。
カメラワークも映像も綺麗、
お財布にもちょっと優しく、
一気に観る時間が取れなくとも、分けて観られる、
トイレの心配もない、
オリジナルミュージカルの強みで、アーカイブもあって、
気に入った部分をリピートできるし、
本当にありがたいです。
一時期、配信というものが 減ったけれど
コロナに関係なく、いつどんな世の中であっても、
誰もが劇場に行けるわけじゃない。
「配信は演劇か演劇じゃないか」なんて議論もあったけど、それは
健康かつ金銭的強者のセリフだと思う。
配信という選択肢は、コロナ禍以降も残ってほしいものです。