先日、神奈川県立歴史博物館(以下、歴史博物館)に行ってから、こちらの資料館も気になってしまい、行ってみました。
こちらには、私は何年も前に行ったっきり。
そのときは、館内をさらりと見た記憶。
20分くらいの滞在だったと思う。
なもんで記憶が曖昧だけれど。
中庭で見た大きな木のことは覚えている。
その大きな木。
入ると、ドドーンっとたまくすの木が。
ほんっとめっちゃ大きい。
歴史を感じる。
苦難を乗り越え、横浜の移り変わりを知っているこの木。
その大きさにじんわりときてしまう。
たまくすの木についてはこちら。
なお、資料館の中での撮影は禁止。
とはいえ、後で知ったけれど、デジタルアーカイブがあるので、ネットからでも資料が見られるという。
そうはいっても、やはり実際に見ると伝わってくるものが違う。
立体的な模型や原本などは特にね。
今回、1時間くらい滞在しちゃった。
この資料館は、江戸時代から大正、昭和初期までの国内外の歴史資料が集められています。
それらの時代を順を追って見ていくと、当時の横浜の住人が少しずつ西洋文化を取り入れたり、世界とのつながりが増えていったことが伝わってくる。
日本からは、日本茶や生糸が輸出されたりと。
その通訳に英語が話せる中国人が、日本人相手に筆談をして通訳したりと。
その人たちが中華街を築いていき。
一方、居留地にいた外国人も日本人に英語を教えたりと。
それぞれの文化の交流があったよう。
そこから現存する学校の前身が生まれたりと。
お互いに違う文化の人と接するということは、かなりの刺激だったよう。
日本人にしてみれば、西洋文明に触れること自体がカルチャーショックだったようだし。
横浜はどんどんと貿易港になっていき。
桟橋や倉庫が作られていったりと。
その様子を絵や写真で見ると、実際にそういうことが起きていたと感じる。
特に写真や当時の物品。
それらを目にすると、文明開花はおとぎ話ではないと実感する。
そうして異文化交流が発達していくと、その情報をお互いの言語で伝えていく新聞社が誕生し、その新聞誌面が今も資料として実存している。
感想が長くなりそうなので、キャッチーというか、見た目に面白いものについて書きます。
歴史博物館でも展示されていた、別人に見える複数のペリーの肖像画。
肖像画といっても、画家はペリー本人や写真を見て描いたのではなく、想像上のペリー像であって「たぶんこんな感じの異人」といった感じで描いたとのこと。
その「なんちゃって肖像画」をデジタルアーカイブでも見たくなったので「ペリー」で検索したところ、ありました。
肖像画の全てはヒットしなかったけれどね。
それって「ペリー」で登録していないのかも。
また、アーカイブでは割愛している部分もあり。
例えば、資料館で展示してあるものには「珍しく温和なペルリ像」などといったことが書かれていたりして。
それくらいペリーは「威厳のある異人」的な描かれ方が多く。
ひどいのは、天狗のような鼻だったりして。
いくら西洋人は鼻が高いからって、ねぇ。
横に伸びてるんだもん、まるでピノキオ。
といった感じで、貿易港として栄えていき、関東大震災の苦難を乗り越えた横浜の様子を知ることができて、よかったです。
資料館を出た後、旧館(旧英国総領事館)に寄ってみました。
この外観も素晴らしい。
旧館の中の記念ホールでは、休憩ができます。
前にきたときは、旧館の他の部屋も見られたような。
まあでも、こちらが見られてよかった。
* * *
その後、資料館の敷地内にある去年の7月に開店したショップ&カフェにも寄りました。
店内は白を基調にして、とても美しい内装。
展示の仕方もオシャレだし。
なお、写真を撮ってよいか伺っています。
以前は資料館の受付で販売していた書籍や絵葉書などが、こちらで購入できます。
こちらの絵葉書は、資料館にあったものがプリントされていて、気になるものばかり。
タカラダの食器も置いてある。
窓から開港広場が見える。
ショップとカフェを仕切っている棚にも商品が。
カフェでコーヒーをいただきました。
店員さんがお勧めしてくれた、飲み物と香炉庵の船もなかで500円というセットで。
船もなかの価格を考えるとかなりお得。
しかも、コーヒーはサイフォンで一杯ずつ淹れてくれるという。
淹れるのに7分くらいかかるそう。
その様子も撮ってよいとのことで、何回も撮っちゃいました。
豆を挽くところから。
理科の実験みたいで面白い。
赤く光っているのもいい感じ。
上に行ったお湯が、少しずつ茶色になって降りてくる。
段々と濃い色に。
ぶくぶく。
泡立ってる。
よい香りも広がっている。
サイフォンを間近で見られたこの席でいただく。
窓から外の風景が見られるし。
資料館で見た瓦版のプリントも見られる。
ちなみにWi-Fiもあるし充電もできる。
こちらがコーヒーと船もなかのセット。
カップは横浜ビフォー&ナウというタカラダのオリジナルカップ。
香炉庵の船もなか。
お皿はタカラダのモトマチフェニックス。
かわいいもなか。
船ってこういう形だったのね。
原材料には小豆と書いてあったけれど、中のあんこは小豆色ではないので、なんでだろう。
おいしかったので、気になる。
サイフォンで淹れてくれたコーヒーは、インパクトのある心地よい渋みがあるというか、味わい深かったです。
ショップの店員さんもみなさん親切で、とてもよいひとときになりました。
私が絵葉書を買おうと1枚選んで、2枚目を選んでいたところ、店員さんが「3枚買うと2枚分の値段になります」と言ってくれたり。
※104円より高いものは対象外。
ということで、こちらの3枚を買いました。
上から、富岡八幡宮前の海岸(明治中頃)、横浜高台英役館之全図(喜斎立祥画 明治2年以前)、東海道の宿場(幕末)
写真を見ると実際にあった風景と感じる。
昔話の世界みたいだけれどね。
なお、喜斎立祥は2代広重とのこと。
当時は浮世絵師が横浜絵を描いていたとかで。
こういう絵は、当時の日本人の外国人への興味の表れのよう。
オタク文化と似ているような。
ペリーは、日本人の手先の器用さなどを見て、いずれ日本は技術大国になるということを予想していたのだそう。
そう思ってもらうと、日本人って頑張っちゃいそうよね。
なんて、資料館で見たことや、絵葉書を見ていろいろと想像しちゃいました。
ということで、資料館とショップにも行ってよかった。
ではでは、こちらはこの辺で