9月5日11時41分30秒ごろ、トラック(幅2.5m、長さ13m)は、線路沿いの幅約3メートルの道から、3回目の進入を試みます。トラックは何度も切り返しながら右折しますが、踏切内に車の前方部分が入ったところで、曲がりきれずに停車。ちょうどそのころ、遮断機のバーが下りてきて、トラックの荷台部分に接触しました。しかし、トラックは、そのまま前進し、踏切内に車全体が進入して数秒後の、午前11時43分ごろ、トラックの荷台部分に快特電車が衝突したということです。
京急によると、現場の踏切に設置してあるカメラの映像では、警報機が鳴る前にすでにトラックは踏切内に入っていた。
システム上、列車が踏切の約1キロ手前に来ると警報機が鳴るという。その時点で踏切内に障害物があれば検知装置が働き、専用の信号機が発光する。信号機は踏切から340メートル離れた場所にあり、運転士が踏切から600メートル離れた地点でも確認できる。最高速度で走行中でも、この距離があれば非常ブレーキで踏切の手前に止まれるようになっているという。
今回の列車は停車駅が少ない「快特」で、営業運転の最高時速は120キロ。事故前に120キロで走っていたことや、検知装置や信号が正常に作動したことを京急は確認しているという。
非常停止で電車が止まれる距離。
電車秒速:120[km/h]×1000[m/km]/3600[s/h]≒33.3[m/s]
減速時間:120[km/h]/4.4[km/h/s]≒27.3[s]
減速距離:33.3[m/s]×27.3[s]/2≒454.5[m]
空走距離:33.3[m/s]×1.5[s]≒50.0[m]
停止距離:454.5[m]+50.0[m]=504.5[m]
◆約500mあれば理論上停止できる。
しかし?信号機を視認するまでの時間(3秒掛れば100m延びる)やブレーキの状態・車輪がロックした場合、停止距離が延びる。
飛散したレモンがレールと車輪の間に入れば油膜となって制動距離はさらに伸びる?。
実際は、
・線路がカーブしていて信号機が530mぐらい手前でしか見えない。
・それに通過駅を過ぎてすぐである。
・ホームの人を気にしたりしていると信号機の視認がさらに遅れる。
この踏切は、理想条件では停止できるが?
実際には停止できなかったのではないかと思われる。
但し、道に迷ったと思われるトラックが踏切内で立ち往生してしまったのが一番の問題である。
しかも、何度も切り返しをしていた為前方は開いていたと言われている。
でも、律儀な人なのか? 遮断機を壊してまで踏切内から出なかったことが悔やまれる。
電車は迫って来るし平常心では無いため一瞬のためらいが大きな事故に成ってしまったと思われる。
京急の特殊発光装置
踏み切り支障検知時に点滅する「特殊発光装置」4つのランプが同時に点滅する。
鉄道運転規則:600m条項
第五十四条
非常制動による列車の制動距離は、六百メートル以下としなければならない。
現在では鉄道に関する技術上の基準を定める省令第106条の解釈基準で
新幹線以外の鉄道における非常制動による列車の制動距離は、600m以下を標準とすること。ただし、防護無線等迅速な列車防護の方法による場合は、その方法に応じた非常制動距離とすることができる。
と規定されている。
以上です。