マイクロ波(マイクロは、英: Microwave)は、電波の周波数による分類の一つである。「マイクロ」は、電波の中で最も短い波長域であることを意味する。 概要. マイクロ波は一般的に、波長 1mから100μm、周波数 300MHzから300GHzの電波(電磁波)を指し、この範囲には、デシメートル波 (UHF)、センチメートル波 (SHF)、ミリメートル波 (EHF)、サブミリ波が含まれる。
マイクロ波の発振には、マグネトロン、クライストロン、進行波管 (TWT)、ジャイロトロン、ガンダイオード等が用いられるが、これらは全て真空管技術である。
但し微弱な領域については、マイクロストリップ線路など共に固体化(半導体)された発振器の利用も増えてきている。
マイクロ波の応用分野は広く、衛星テレビ放送、マイクロ波通信、レーダー、マイクロ波プラズマ、マイクロ波加熱(電子レンジ)、マイクロ波治療、マイクロ波分光法、マイクロ波化学、マイクロ波送電、マイクロ波イメージングなどがある。意外な所では、水洗便所の小便器にマイクロ波センサが組込まれ自動洗浄にも採用されている。
マイクロ波は、特に軍事で今最もホットな電波領域です。
つい最近まで、ミリ波なんて水蒸気による減衰が酷く使い道が無いと言われていました。そこを逆手にとって気象レーダが開発されました。今では自動車に沢山使われています。
では、はじめにマイクロ波の発信器について調べてみましょう。
1.マグネトロン
マグネトロン(magnetron)とは、発振用真空管の一種で、磁電管とも呼ばれる。電波の一種である強力なマイクロ波を発生する。レーダーや電子レンジに使われている。
マグネトロンは1921年の古い発明です。それにもかかわらず、軍事用レーダーから電子レンジまで、商業的にも工業的にも現在、非常に重要な役割を果たしています。
マグネトロンはチューブコアと電磁石の2つの部分で構成されています。
チューブコア(右図)には、チューブに慎重に封入されたフィラメント(チューブの陰極)がマグネトロンの中央に配置されています。アノードは、カソードおよびチューブコアを取り囲む銅の中空シリンダーである。
Magnetrón animación
磁場は、フィラメントと平行に電磁石によって供給されるため、電子がカソードからアノードへと加速されると、アノードに直接移動するのではなく、カーブして外側に渦巻く。
管の陽極ブロックは、それぞれが共鳴RC回路として機能する多数の円筒形空洞を含み、電子をグループに束ねる。マイクロ波は、電子と磁場および配置キャビティとのこの相互作用によって放出される。アンテナはRFエネルギーの一部を送信します。
Magnetron
電子レンジ内のマグネトロン
電子レンジは非イオン化マイクロ波(周波数:2.45GHz)の放射を利用して食品を加熱する。変圧器は100Vの家庭用電圧を3,000V以上に上昇させ、マグネトロンに供給します。マグネトロンは、それらを導波管を介して攪拌器に送り、レンジ内にマイクロ波を均一に放射する。
マイクロ波からのエネルギーは、電気双極子(大きさの等しい正負の電荷が対となって存在する状態)である水、砂糖、脂肪などによって吸収される。電界と磁場の振動からなるマイクロ波であるため、電気双極子分子は、反対側に正の電荷と負の電荷を持つので、マイクロ波の電場は1秒間に数十億回逆転し、分子が前後して跳ね上がり、熱が急速に発生します。しかし自由回転双極子を持たないガラス、セラミックなどは結果的に電子レンジでほとんど加熱されない。
電子レンジに使用される周波数は、他の応用と電波障害を起こさないように、国際規格で『2,450MHz』に統一されている。水自体の誘電損失による吸収のピークは、1桁高い周波数(温度により変化するが)20 - 80GHz前後になる。2,450MHzは、物体吸収のピーク周波数からは大きく外れているが、水のマイクロ波吸収ピーク自体が非常に幅広いため、このぐらい振動数がずれても、十分な吸収があり加熱が行える。
当時の技術では一番安価に作れる周波数だったのではないでしょうか?
電子レンジの説明映像追加01/11
次回は、クライストロン。
以上です。
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