2.リチウムイオン電池とは?

リチウムイオン電池とは、リチウムイオンが正・負極間を移動する反応で充放電を行うバッテリです。

正極にはサイクル特性に優れたコバルト酸リチウム、(車の場合、マンガンや三元系、リン酸鉄など)負極には結晶性の高い黒鉛系材料が用いられる。また、正極と負極を分離するセパレータにはポリオレフィン多孔膜、電解液には有機溶媒が採用されている。 

 

充電時は正極中のリチウムがイオンとなって溶け出し、負極炭素の層間に挿入され、放電時には逆にイオンが正極に移動する。エネルギー密度が大きく、寿命が長い(メモリ効果が無く自己放電が少ない)、電圧が高く大きな出力が得られる等の特徴がある。 

 

 

 1)リチウムイオン電池の特性項目

«  車載用二次電池に求められる特性項目

     高い安全性・信頼性

     高い入出力密度(W/kgW/dm3

     高いエネルギ密度(Wh/kgWh/dm3

     長いサイクル寿命・カレンダ寿命(>10年、15年)

     高い充放電エネルギ効率

     低コスト

     自己放電が小さい  

  

«  リチウムイオン電池の特性項目

     電池電圧が高い(3.6Vセル)

     エネルギー密度が高い

     メモリー効果がない

     自己放電が小さい(優れた保存特性)

     大電流放電及び急速充電が可能

     優れた寿命特性

     完全密閉でガスを放出しない  

 

 

2)リチウムイオン電池の動作原理 

 

 

¬  マンガンスピンネル材料の優位性

  

  但し、最近はエネルギ密度の関係で三元系が多くなってきている。

 

3)リチウムイオン電池の構造 

 

 

4)リチウムイオンポリマー二次電池構造図

「リチウムイオン二次電池とリチウムイオンポリマー二次電池の違いは電解質にあります。 

 

リチウムイオンポリマー二次電池では、ゲル状の電解質を使っているため、液漏れの心配がなく、金属缶を使わずに、外装をフィルムにできることがメリットです」。そのため、リチウムイオンポリマー二次電池は、薄型軽量化が可能で、形状の自由度も高い。
ただし、電流の出し入れは、電解液タイプより遅い
 

 

 

5)主な元素の酸化・還元電位

リチウムイオン電池の電圧は、下記酸化・還元電位で決まる。

酸化還元電位(Redox potentialもしくはOxidation-reduction Potential; ORP)とは、ある酸化還元反応系における電子のやり取りの際に発生する電位(正しくは電極電位)のことである。  

 

 

 

以上です。

 

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