どうも。おだじょーです。
先週は体調不良でお休み失礼いたしました。

今日は前回の【アナログ造形のメリット/デメリット】記事に
対抗して【デジタル造形のメリット/デメリット】について書いていきます。

なるべくおだじょーの実体験ベースで書いていこうと思います。

おさらいですが、アナログ造形、デジタル造形でそれぞれメリット、デメリット
を挙げると下記になります。


①アナログをやる時のメリット/デメリット
 メリット
  1.導入コストが安い 
 デメリット
  1.どんな材料を使う場合も、一定の材料への理解・乾燥時間待ちが必要
  2.完璧主義の人には向かない
  3.手先の器用さ、丁寧さが求められる

②デジタルをやる時のメリット/デメリット
 メリット  
  1.操作方法を勉強すれば、だれでも細かい造形が可能。
  2.修正のサイクルがアナログに対して圧倒的に早くなる
  3.左右対称造形が楽に作れる        
 デメリット 
  1.導入コストが高い


アナログ造形は導入コストが低く、とっつきやすいのが大きなメリットです。
一方、乾燥時間や、加工の難しさから、一体作り上げるには、
相応の忍耐・努力を要するという話を前回しました。

ではデジタルはどうか?前回と同じように1つ1つ詳細を述べていきます。

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1.操作方法を勉強すれば、デジタル造形ではだれでも細かい造形が可能

これは、自分がフィギュア造形を習った先生からの受け売りですが、
ZBrush、Blenderによって、誰でも細かい造形ができるようになりました。

例えば
・細く流れるような髪の毛の表現
・カッチリした面のメカディティール
・細く扇情的な表情の手

など、面が複雑に入り組んでいる&パーツが細くなりがちな造形は
アナログ造形で初心者が作るのは難しいです。

上記をアナログ造形で再現するには最低でも
-使う材料の耐久度
-デザインナイフの使い方
-紙やすり使い方
-スジボリのやり方
-中の芯材になにをいれるか?
などなど。あげればきりがないほどの様々な知識を理解しておく必要があります。

加えて、形の作りこみとは別に、加工道具をうまく使えるか?
という点も作品の出来に大きく影響を与えます。

故にアナログでの造形は、職人のように何年も続けてきた人の独壇場だったというのが実態でしょう。

一方、デジタル造形にはそのような練度差は生じにくいです。
操作方法さえ勉強してしまえば、初心者でも同じ形状や、

完成度を簡単に出せてしまいます。


またズーム、複製、造形パターン周期展開などを
デジタルの機能を駆使すれば、初心者でもすぐに細かい造形はできてしまいます。

上記より手軽に造形の楽しさを知るには、
デジタルから入るのも、とても良い選択だと思います。
自分で作る作品レベルが手軽に底上げされるのも実感しやすいでしょう。

アナログを少し経験した人でも、デジタルで作品を作り上げると感動する人は

多いのではないかと思います。

 

2.修正のサイクルがアナログに対して圧倒的に早くなる

前回アナログ造形では、どのマテリアルでも乾燥時間/焼結時間があることを述べました。
これは
①作品のクオリティアップ
②自身の造形力の成長スピード
にダイレクトに効いてきます。


下記に簡単ではありますが、作業所要時間のケーススタディを示してみます。

作業内容
・既存顔パーツの輪郭の修正する

この場合、自分の経験の所要時間ですが、
1回の作業時間のミニマムは下記のようになります。


アナログの場合 約40min~
デジタルの場合 約10min~


※写真がないのでおだじょーの手書きイラストですが、
 よりアナログ作業のリアルな写真が見たいぜ!という方はぜひ下記の書籍を

 読みましょう。
 (エポパテですが、大変良書です。フィギュアの教科書 原型入門編 (How to build GARAGE KIT vol.01) | 模型の王国 |本 | 通販 | Amazon)
 
アナログ作業では乾燥時間があるため、1サイクル回すのに40min近くかかります。
一方、デジタルは乾燥時間はなく、形状変更に限れば、1サイクル10minもあれば回せると思います。

この時間差を有効利用すると、デジタル側はアナログの完成を待つ間に
4回ほど形状調整のチャンスがある 
or 元絵との差分を考える
or 別の作業をやりきる
などのアクションに充てられますいずれも作品クオリティアップ、

作品完成スピードに大きく寄与してくれます

もちろんデジタルは出力作業という追加作業はありますが、
3Dプリンタを動かす環境があれば、3~4日待てば、出力品が得られます。
そこは大きな欠点にはなりえないと考えます。

よりよい形を突き詰める ことに対し
デジタルの形状修正にかかる時間の短さは大きな武器です。


形状修正のサイクルを何度も回せたり、造形用の資料にあてられる時間が増えるほうが良いものが作れることは容易にご想像してもらえるかと思います



3.左右対称造形が楽に作れる 
デジタルの強みでこちらもとても役に立つ機能です。

顔などは初心者の人ほど、左右のいびつさが気になり、何度も何度も
修正を繰り返してしまいます。

デジタルはミラー機能などで強制的に左右対称のものを造形できます。

初心者にとっては、なんども左右対称を取り直す作業が不要になります。
故に余計な気苦労から解放され、顔以外の所にガンガン挑戦の目を向けることができます。

(瞳の書き込み以外は、ほぼ左右対称。素人意見だが、非対称の方が、

 成立させるの難しい気がする。。。)

また余談ですが、作った既存パーツを左右反転で複製展開できることも大きなメリットです。
デジタルでは右腕、右足を作れば ミラー複製で左腕、左足とすることができます。

(プネウマちゃんは左右反転ミラーの応酬...アナログでは絶対できぬぅ。。。)


アナログでは左右反転複製は基本不可なので、ここも大幅な時短を図れます。
ポーズを付けると右腕、左腕は違うポーズになっていることが大半ですが、
ベース形状を作る時間をスキップできるのはかなりの時短につながります。



デメリット 
  1.導入コストが高い

 

ここまで散々、デジタルの良いところを語ってきました。

がやはり導入コストがかかってしまうのは避けられません。

自分はZBrushを使っているのでZBrushベースで少し語ります。

 

料金の詳細はこちらのページに一覧表がまとめられています。

ZBrushとは?ZBrush 2022からの新機能や価格を紹介!|Udemy メディア (benesse.co.jp)

 

抜粋すると

1年永久権 12万くらいです。

やはり、覚悟を迫られる価格ではありますね。

 

 

自分の場合はいきなりZBrushは購入せず

ZBrushCoreを経由して、ZBrush無印に変更しました。

 

現在はZBrushCoreはサブスクリプションしかないようですが、

月額1430円~で使用可能です。

 

自分もZBrushCoreを1,2か月使って、なんとかなるなーという感触を

得てからZBrushに移りました

 

(上のはZBrushCoreを購入して2週間で作成) 

 

 

挫折時のお金の損失リスクをさけるなら、

2か月ほどZBrushCoreを使ってみる→なれたらZBrush無印にアップデート

が精神的には楽かもしれません。

 

ZBrush購入時に挫折したらどうしよう。。。は誰しもが思うことなので

お試ししてみて、合うとおもったら早めに永続ライセンスを買うのが

ベストだと思います。

 

ソフト自体は高いと感じると思いますが、

前述のように、作業の時短という大きなメリットが得られますので

ちゃんと続ければ十分ペイできると思います。

 

 

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今回は前回以上に長くなりましたが、

デジタルのメリット、デメリットについて語りました。

 

自分もアナログからデジタルに転向した人間なのですが、

やはりデジタルは形状検討の時間が短いのが大きな魅力だとおもいます。

 

現状ワンフェスの人気ディーラーの

告知画像がZBrushのスカルプト画面であることは、よくあることです。

 

作品クオリティ上げるだめにデジタル造形を導入しているのは

もはやスタンダード(やってて当たり前)ともいえるかもしれません。

 

【どうやって自分の作品を買ってもらえるものにするか?】という

問いに明確な答えはありませんが、道具をよくして作品クオリティが上がるなら

積極的に投資すべきかもしれませんね。

 

私は昔には逆立ちしても作れなかった作品が作れるようになって、

とても造形が楽しくなったなぁと思います。

 

読者の方の造形手法の検討に今回の記事が役立てば幸いです。

 

ではでは。