震災脚本家菱田シンヤ、読了しました。



あのですね。実はこの本はご本人から夫にいただいたもので、夫へのサイン入り♪
読んだ本を本棚にしまおうとして、うん?
菱田先生の本やないの。しかもタイトル気になる…と、2日ほどで読み終えました。

私自身はちゃんとした面識はないのですが、同じ専門学校で講師をされていてチラッとお見かけしていたり、夫がお世話になっていたり、と、一方的に存じ上げている状態。
劇団ヴィンテージの公演を一度見せていただいて

「なんつー、あほおもろい」(←失礼か!)

という感想を持ちながら、菱田先生が脚本を書くラジオドラマ(生徒制作)も、毎週楽しみていたりと、
まあ、要するに一方的なファンなのです(笑)

私たち世代なら、この話をすれば歳がバレる、大阪ミナミの2丁目劇場。
ダウンタウン、ハイヒール、今田東野ダブルこうじ、130Rなど、錚々たるメンバーが若手だった時代に、2丁目劇場では毎日部 舞台が繰り広げられ、それが地上波テレビで生放送されていたという。
中学時代、とにかく「4時ですよーだ」を見るために早く帰らねば!という感じでした。

あ、2丁目劇場の下りが長すぎましたが、菱田先生はあの頃大学生で、いろいろあって(説明がざっくりすぎ)あの劇場でスタッフをされていたんだとか。
脚本、演出、劇団設立など、その当時からこれまで(書かれたのは今から3年も前ですが)について、語り口調で書かれているので、サラサラサラ〜っと読めてしまいました。

なぜ震災脚本家なのか?
阪神淡路大震災では、ご自身もご家族も無事だったものの、壮絶な風景を目の当たりにし、「震災離婚」という、本当にあったあの頃の影の社会問題にスポットを当てた脚本で賞を取られ、
東京でのお仕事が始まった頃に東日本大震災が起こり…
タラレバはないけれど、震災がなかったらどうなってた?
むしろ、震災があったから書けるのか…


読んでいて、時々グッと込み上げてくるものがあってなんだか泣きそうになりつつ、読み終えた一冊。
演劇に限らず、音楽や文学、映画など、人々を惹きつけるものには只ならぬ労力や思いが込められている、という当たり前のことを再認識しました。

出産後はどうしても夜にでかけられず、好きな演劇や落語、ライブなどに行けないけれど、またあの「あほおもろい」舞台を観たいな〜(^ ^)