斬新な若者の「見方」 | 小田春人オフィシャルブログ「先人に学ぶ 産業と教育の復活」

斬新な若者の「見方」

 作家・ジャーナリストの門田隆将さんが、実に面白い論考を月刊誌に書かれていたので長くなりますが紹介します。

 

 2017年8月11日、読売新聞朝刊に興味深い記事が掲載された。読売と早稲田大学現代政治経済研究所が共同でおこなった調査結果を発表したものだ。

 〈政党観 世代で「断層」 読売・早大共同世論調査 政治意識を探る〉と題されたその記事には、壮年・老年層から見たら信じがたい若者のユニークな見方が記されていた。

 それぞれの世代が日本の政党をどのように見ているのか、そのことを調査した結果である。

 「保守」や「リベラル」を当時の自民・民進・公明・共産・日本維新の会の五政党にあてはめて調査したのだ。リベラル政党とはと問われ、最も若い18~29歳は「維新」を選び、次いで「自民」となった。リベラルと正反対なのは「公明」であり、次いで「共産」だった。

 同紙は、〈若年層では、自民や維新の方がリベラルで、共産、民進、公明の方が保守的との見方だった〉と驚きを隠さなかった。

 通常の見方と完全に逆だったからだ。

 これに対し、50歳代以上では、やはり、リベラルとは「共産」がトップで、「民進」がそれに次いだ。旧来のイデオロギー観のままである。

 「革命志向の強い政党はどこか、という質問への答えも興味深い。改革志向の度合いが大きい政党を、若者は、「自民」、次いで「維新」を挙げたのである。

旧来の概念に捉われない若者は、リベラル政党で改革志向が強いのは自民や維新であり保守的で改革志向の少ない党は共産、公明と見ていたのである。

 固い殻に覆われ全く10年1日のごとく旧来と変わらない、いや、変えようとしない共産や公明を、若者が「保守政党」だと見ていたのは、「さすが」というほかあるまい。

 安倍政権打倒を“社是”として徹底的に誹謗中傷してきたといわれる朝日新聞の調査でさえ、安倍政権の平均支持率は「44%」で、18歳~29歳の男性に限ると実に「57%」だったとなっています。

 かつてと逆転現象です。

 かつての自民党の“岩盤支持層”が60歳以上だったのに、今や最も支持率が低いのがこの年代です。

 そして、今の“岩盤支持層”は20代の若者です。

 また、「保守」と「リベラル」の逆転現象がどうして起こったかも興味が尽きないところです。