“地方自治の生き字引”(その2)
石原元官房副長官は、加藤武徳岡山県知事時代の昭和42年頃から、4年間岡山県に出向して来られ、企画部長などを務め岡山県政の発展に貢献されています。
加藤知事と親しかった祖父小田寛は、その縁で石原部長とも親交がありました。
当時大学生だった私は、帰省した時に祖父がこんなことを言っていたのをよく覚えています。
「石原部長はすごい男だ、将来必ず大物になる」
議員になっていつかチャンスがあれば是非お会いしたいと思ってきました。
「念ずれば花開く」の如く、思い続ければ実現するものです。
山陽新聞社の越宗社長(当時)のおかげで、思いがけなく、その機会はめぐってきました。
アポイントを取って、今も会長をされている地方自治研究機構の事務所を訪ねました。
手元に「まあいろいろありまして」という半自叙伝的な著書があったので呼び知識を入れて面会しました。
1926年生まれですから83歳です。
小柄で、気さくな雰囲気でした。
何よりびっくりしたのは、その驚異的な記憶力です。
祖父との交遊や岡山県政のことを、まるで昨日のごとく鮮明に思い出して語られました。夢中で話し込んでいたら、約束の1時間はオーバーしていました。
企画力、決断力、調整力、実行力、いずれも超一流の人物でした。
最後に、人間関係の要諦をお聞きしました。
「それは、誰でもよいところを見てあげることですよ」
同じ言葉を聞いても、人によって響きは違います。
“ズシン”ときました。
以来、人間関係において、石原元官房副長官のこの言葉を座右の銘としています‥‥‥。