「資本収益率は経済成長率を上回る」
世界中で150万部を超えるベストセラーになった「21世紀の資本」の著者・フランスの経済学者トマ・ピケティ氏(43歳)が来日し、4日間の来日中、講演、インタビューと大変注目を浴びました。
その主張の肝は、「資本収益率は経済成長率を上回る」との命題だそうです。
読売新聞が報じる、もう少し具体的な主張のポイントは以上の通りです。
○先進国では、
1980年代以降に貧富の格差が広がっている。
○資産家の財産が大きくなるスピードは、
一般の所得が上がるスピードより速い。
○富裕層を対象に、累進的な資産課税を
世界的に導入し、格差是正を図るべきだ。
○アベノミクスは格差を拡大するリスクがある。
教育の充実などで格差の縮小と経済成長の
両立は可能。
○消費税引き上げは経済成長にとってマイナス。
財政再建には、高齢者を中心とした富裕層への
課税を強化すべきだ。
「日本でも格差問題への関心が高いのは、アベノミクスによる景気回復の恩恵が、地方や中小企業などに十分に行き渡っていない現状があるからだろう。
ピケティ氏の格差に関する200年に及ぶ歴史的な実証研究は示唆に富んでいる。
ただ累進的な資産課税を世界的に強化して、格差の是正を図るべきだとの提言は、説得力に乏しかった。累進性を過度に強めると、頑張る人が報われる資本主義の否定にもつながる恐れがある」
こう解説しています。
700頁に及ぶ大著は、書棚に飾って置く本であって、とても読み切れません。
「21世紀の資本」をダイジェストに紹介し、批評した本を2冊読んでみました。
膨大なデータを駆使しての業績には敬意を表しますが読売新聞の解説と同じような感想を持ちました。