「利他のすすめ」
昨日書いている時、大山泰弘日本理化学工業(株)会長著の「利他のすすめ チョーク工場で学んだ幸せに生きる18の知恵」(WAVE出版)を思い出して、改めて読みました。
日本理化学工業は、ベストセラーになった「日本でいちばん大切にしたい会社」(坂本光司著 あさ出版)でいの一番に取り上げられた会社です。
2011年出版当時、74人の社員のうち55人が知的障害者(障害者雇用割合74%)、製造ラインはほぼ100%障害者で稼働できるよう、工程にさまざまな工夫を凝らしているすごい会社です。
大山会長はこう書かれています。
人間が生きていくうえで最も大切なことは何か――。
それは、とてもシンプルなことです。
「人の役に立つことこそ幸せ」この一言に尽きます。
人の役に立つこと、すなわち「利他」こそ幸せに生きる根本原理なのです。
一見、自己犠牲のようにみえるかもしれません。
しかしそれとは正反対です。
むしろ、人の役に立つことで、私たちは幸せを感じることができます。
人間はそのように作られているのです。
そして、その幸せを追い求めて「利他」を愚直に積み重ねることによって、個性や才能が磨かれ、ついには自己実現にまでいたることができます。
「自分が、自分が」と自己中心主義で生きるよりも、ずっと強く生きることができるのです。
このことを私に教えてくれたのは知的障害者にほかなりません。彼らに学んだ知恵をひとりでも多くの方に届けたい。
そう思い立ち、本書をまとめることにしました。
会社の敷地内にたてた「働く幸せの像」には次のような言葉が刻まれています。
導師は人間の究極の幸せは、
人に愛されること、
人にほめられること、
人の役に立つこと、
人から必要とされること、
の四つと言われました。
働くことによって
愛以外の三つの幸せは得られるのだ。
私はその愛までも得られると思う。
大山泰弘
この本を読むと、「利他の心」が人生を拓く上でいかに大切か、現実の仕事を通じて教えてくれます。