「給食の思い出」
「東京情報」を週刊新潮に連載中のヤン・デンマンさんが「給食の思い出」(6月19日号)を書いています。
誘われて、都内某ホテルでの、かつての日本の給食を再現するフェアに参加した感想を書かれています。
人気メニューの定番だったという、ソフトめんのミートソースにみかん、脱脂粉乳を食べて、まずく、特に脱脂粉乳は飲めなかったという。
私は小学校が分校だったので、学校給食の思い出がありません。脱脂粉乳だけはあります。
バケツに入った脱脂粉乳をヒシャクでアルマイトのお椀につぐのです。
食糧事情がまだまだよくなかったあの時代でさえ、飲むのが苦痛だったのを今でも鮮明に覚えています。
さて、結びでヤン・デンマンさんは、卓見を披瀝されています。
「私は給食に関する知見を改めた。
給食は子どもに成長や発見の機会を与えるものであるようだ。自分の嗜好が社会の中でどの程度独善的なものなのか、給食はそれを理解するきっかけにもなる。自己主張の強すぎる欧米人は、日本の給食制度に学ぶべきではないか。
一方、日本人は伝統的な食文化を守り、給食に反映させるべきだろう。それこそが教育なのだから」
ヘルシーな日本食が世界的に評価され、日本食レストランが欧米で大人気です。
片方では、日本食が家庭の中で崩壊の危機に瀕しているのは、まことに皮肉な現実です。