ステレオタイプ | 小田春人オフィシャルブログ「先人に学ぶ 産業と教育の復活」

ステレオタイプ

 特定秘密保護法案をめぐるマスコミの“狂騒劇”を見るにつけ思い出した言葉があります。

 今は亡き辛口の名コラムニスト山本夏彦さんの言葉です。

 「汚職は国を滅ぼさないが、正義は国を滅ぼす」


 全国紙は、読売、産経が機密漏洩防止のための法整備は、言論の自由や知る権利への配慮をしつつも不可欠の論調。

 朝日、毎日は絶対反対。

 日経は仕組みは必要としながらも、法案成立には反対。

 「我こそは正義なり」と朝日、毎日はじめ反対の言論人の異様な報道ぶりは常軌を逸していました。


 反対とは言え、冷静な香山リカ立教大学教授(精神科医)はこう言っています。


 「なぜか護憲や反原発と秘密保護法反対はぴったり重なって見えてしまうのだ。

実際に反対集会に出かけても、まわりは別のテーマのシンポジウムなどでも同席したことのある人ばかりだ。

 私でさえ『またこのメンバーか』といった感覚をいだくのだから、世間が秘密保護法の危険を訴える人達を見て、『この人、改憲も原発も危険って言ってる人だよね?今度は秘密保護法に目をつけたのか』とひとくくりにしたくなるのも無理からぬことだ。そして“なんでも反対するサヨク”とレッテルを貼られた人達は今の社会からは好意的な目で見られることは少ない」と、自省的とも自嘲的とも思える想いを披瀝されています。


 しかしながら、ステレオタイプ(紋切り型)な反対が一定の効果を上げたのも事実です。安倍政権の支持率が下がったことがその証左です。