A級戦犯の名誉回復 | 小田春人オフィシャルブログ「先人に学ぶ 産業と教育の復活」

A級戦犯の名誉回復

 いわゆるA級戦犯の名誉回復について、今までは一般にほとんど知られていないことがあります。


 日本は昭和26年9月8日サンフランシスコ講和条約に調印し、翌年の4月28日に条約が発効となって主権回復が認められました。

 すぐに戦犯の赦免釈放を求める国民運動が起こり、4千万人が国会へ請願書を提出しました。

 それを受け、昭和28年8月の国会で「戦争犯罪による受刑者の赦免に関する決議」を与野党全会一致で可決しています。

 刑死者には「法務死」という名前までつけて、その後、遺族に対して恩給も出しています。B、C戦犯は無論のこと、A級戦犯の名誉も国会において明確に回復されているのです。

 しかも、これは日本の決断でやったわけではなく、講話条約第11条に根拠があります。

 「これらの拘禁されている者を赦免し、減刑し、及び仮出獄させる権限は、各事件について刑を課した一又は二以上の政府の決定及び日本国の勧告に基くの外行使することができない」

 つまり、「この判決に関係ある国一つないし二つが、日本政府の申し出にOKと言えば赦免してもいい」とはっきり書いてあります。

 それでOKをとったから、議会でも戦犯の名誉回復をして、刑死を法務死にしたわけです。

 だからこそ、皆受難者として靖國神社に合祀されました。

 この歴史の出発点や原点への共通認識を持つことが大切だと思うのですが、残念ながらそうなっていません。