「おえりゃーせんのう」 | 小田春人オフィシャルブログ「先人に学ぶ 産業と教育の復活」

「おえりゃーせんのう」

 岡山県出身のいぶし銀のような俳優長門勇さんを偲んでの「編集手帳」の一節が目に留まりました。


 「ドラマの制作者が配役を配役を決めても、スポンサーから横やりが入ることもある。

フジテレビで『三匹の侍』を演出した五社英雄さんに横やり封じの挿話がある。

 主演する3人のうち丹波哲郎、平幹二朗の両氏はいいとして、ほとんど無名に近い長門勇さんは通らないおそれがある。

 五社さんは一計を案じ、企画書に〈丹波、平、長門〉と姓を並べてスポンサーの了承を取り付けた。あたかも当時の売れっ子、長門裕之さんであるかのように。

 番組が始まるや、長門さん演じる鑓の使い手・桜京十郎が茶の間の人気をさらってしまう。

 無名の“三匹目”から出発し、味のある脇役として親しまれた長門さんが81歳で亡くなった。

往年のテレビ時代劇ファンにはさみしいことだろう。

長門さんの名セリフ『おえりゃーせんのう』(いかんなあ)である」(6月7日)


 “味のある”コラムです。

 竹内さんには、他の新聞コラムと明確に違う特徴があります。ほとんど毎回、人物エピソードや詩句、言葉の引用が出てくることです。

 その無類の博覧強記には驚くばかりです。

 私の方はといえば、“味のある”コラムには程遠くても、“読んで貰える”コラム目指して日々悪戦苦闘しています。