「上京物語」(その1)
「上京物語~僕の人生を変えた五つの教え~」は、常識の殻を破るのに参考になる喜多川泰(きたがわやすし)さんの小説です。
大学入学で故郷を旅立つ息子に父が自ら書いた小説と手紙を贈るというユニークな設定です。
「父がわざわざ自ら書いてまで読ませようとした小説は、何とも救いようがないというか、悲しいというか、希望を抱いて生きてきた若者がどんどん光を失っていく姿が書かれただけの小説だった。しかも『祐介』という架空の主人公が、物語の最後に自分の名前を呼んで問いかけてくるのだ。
『これが、おまえの人生なのか、祐介!』」
そして、息子祐介を諭(さと)します。
「父さんがこれから書くのは、ほとんどの人が知らず知らずのうちに身につけてしまう、五つの常識についてだ。常識なんて時代とともに変わる。普遍的なものではない。どれだけ多くの人が支持しようとも、間違った常識は、必ず明日の非常識になるんだ」
その五つの常識とは――。
やぶるべき一つ目の常識の殻
―幸せは人との比較で決まる―
やぶるべき二つ目の常識の殻
―今ある安定が将来まで続く―
やぶるべき三つ目の常識の殻
―成功とはお金持ちになることだ―
やぶるべき四つ目の常識の殻
―お金を稼げることの中からやりたいことを選ぶ―
やぶるべき五つ目の常識の殻
―失敗しないように生きる―
「誰よりも多くの成功を手にした人は、誰よりもたくさん挑戦した人でしかない。
同時に、誰よりもたくさん失敗を経験してきている。
普通の人が失敗と呼んでいる出来事こそが、人生に感動や感謝、新しい出会いといった、幸せな人生を送る上で必要なものすべてを運んでくれるんだ」