「心をひとつに響かせる!」
岩倉真紀子京都明徳高等学校ダンス部顧問の指導ぶりを書いたので、そんな指導者が書かれた本はないかと思っていたのです。
市立柏高等学校吹奏楽部総監督、石田修一先生の「心をひとつに響かせる!」はその思いに応えてくれる最適の本です。
柏高校は、秋に行われる全国から選抜された50校が演奏を競う全日本高等学校吹奏楽大会で9年連続優勝するなど、数々の輝かしい実績を誇る吹奏楽のトップ校です。
1978年市立柏高等学校開校と同時に赴任し、吹奏楽部創設以来かかわってきた35年の教員生活のなかで、心に響いた「気づき」や「学び」を中心にしたためたとあります。
「この本で私が伝えたいことは、おそらく次のひと言に集約されます。
『高校で吹奏楽をする目的は生徒たちに幸せな人生を送ってもらうこと。そのために、いつも感謝の気持ちをもって笑顔ですごすこと』
私が教師になって今まで生徒たちに教えてきたことはたったこれだけのことだったのです」
220名の部員全員が主役で、補欠は絶対に作らないとの指導方針。
岩倉先生も「大事にしているのは、全員でダンスをすることと、感謝をすること」と言われています。
いみじくも、道を究めた2人の指導者が全く同じことを言われているのです。
教育や指導を考える上で実に教えられるところ多い本です。