アイデアキラーと戦った神山町 | 小田春人オフィシャルブログ「先人に学ぶ 産業と教育の復活」

アイデアキラーと戦った神山町

 アイデアキラーとは、「難しい! 無理だ! 

出来ない! 前例がない」と、過去の失敗などを

例にあげながらアイデアを破壊する人のことです。

 撃退法は、「できない理由より、できる方法を

「とにかく始めろ(Just do it)」と例がなければ

新しいルール、方法を自分が作ることだと教えられ

ました。

 こう教えてくれたのは、NPO法人グリーンバレーの

大南信也理事長です。“バカ者リーダー”(失礼)

と敢えて呼ぶにふさわしいすごいリーダーです。

 神山町は、徳島市から西へバスで40分、

人口6千人の過疎の町です。

 2010年10月から、IT企業の「サテライトオフィス」

を9件誘致し、「人材誘致」の視点から、これまでに

なく全く新しい「集落再生モデル」で地域活性化に

取り組み全国から注目を集めています。

 その原点は、1991年の青い目の人形「アリス」の

アメリカ里帰り事業です。

 1997年に策定された徳島県新長期計画

「とくしま国際文化村構想」に乗って二つの

プロジェクトを実施しました。

 一つは、「場の価値」を高める制作のために

滞在する芸術家を集めた「神山アーティスト・

イン・レジデンス」です。

 もう一つは、「アダプト・プログラム」の

全国初実施です。

 今や日本中で実施されている道路や河川の

アダプト事業(民活による管理・環境美化事業)発祥の

地が神山町だとは初めて知りました。

 こうした活動がNPO法人グリーンバレーの設立

へとつながっていきます。

 そのミッション(使命)は、

「日本の田舎をステキに変える」です。

 そしてビジョン。

 ①「人」をコンテンツにしたクリエイティブな

   田舎づくり。

 ②多様な人の知恵が融合する

   「せかいのかみやま」づくり。

 ③「創造的過疎」による持続可能な地域づくり。

 プロジェクトは。

  アダプトプログラム、

  神山アーティスト・ イン・レジデンス、

  森づくり、棚田再生、空き家、商店街再生、

  劇場寄井座再生、サテライトオフィス、

  インターンシップ、就業支援神山塾、

  公共施設指導管理、

  神山町移住交流支援センター運営

 など多岐に亘ります。

 そこには、「若者、バカ者、よそ者」の発想が

随所に生かされています。

 例えば、「ワーク・イン・レジデンス」と銘打って、

将来の町に必要な働き手・起業家を逆指名して

商店街再生を計ろうとしているのです。

 Iターン、Uターン無条件でOKが普通なのに

逆指名するなどいうべくしてできることでは

ありません。それができるのは奇抜な発想だけ

でなく、一歩一歩実績を積み上げてきたからです。

 空き家の古民家を借りた、サテライト・オフィス

で働く、東京から来ている若者に聞いたら、

「環境は抜群で、仕事はし易いし、こんな良い所は

ありませんよ」と楽しいそうに答えてくれました。

 時代は大きく変わってきています

 大南理事長には、「すきな岡山に、

て(手)を加えて、すてきな岡山に変えましょうよ」

とエールを送られました。

 いやはや、「がんばらなくっちゃ~」の

こころではあります。