元旦の新聞を読む(見る?) | 小田春人オフィシャルブログ「先人に学ぶ 産業と教育の復活」

元旦の新聞を読む(見る?)

 元旦の新聞は読むどころか、目を通すだけでも大変

な量です。本体が40頁、全体で80頁から100頁。

 7紙合わせると600頁にもなります。各紙目に

ついた特集や記事をピックアップしてみます。


 〈山陽新聞〉

 社説は、「新たな『つながり』を創ろう」といろいろな

形での人と人、地域と地域をつなぐことによる元気な

地方づくりを訴えています。

 伊原木岡山県知事と湯崎広島県知事の対談も

内容があります。

 4月10日開通25周年を迎える瀬戸大橋について、

「開け次代への道」の特集で、更なる活用、発展策を

求めています。


 〈中国新聞〉

 山口県出身の安倍首相との「単独インタビュー」を

アピールしています。

 山口県出身の首相は8人目で、内閣制度が

始まって伊藤博文初代首相以来、山口県人が

4分の1近くの期間首相を務めているそうです。

 長州人の気概を示し、国民の期待に応えたいと

その思いを語られています。

 6年目を迎えたという「中国新聞LEADERS

倶楽部」の「新春トップインタビュー」で、78人の

意見は参考になります。


 〈読売新聞〉

 通常の倍の量の社説「政治の安定で国力を取り

戻せ」と提言しています。

 TPPに早期に参加表明すべしというだけでなく、

次世代型の原発の新設という選択肢を排除すべき

でなく、また成長の観点からは、原発のインフラ

輸出も促進したいと思い切った独自の主張を展開

しています。

 橋本五郎読売新聞特別編集委員と作家曽野綾子

さんの、“直言居士と直言大姉”による新春対談は

歯切れがよく(日本全体が幼稚になった、国民も

学ばなければ)、面白い。


 〈産経新聞〉

 中静論説委員長が、一面で「先の総選挙で多くの

有権者は、強い経済とともに対中抑止力を働かせる

とした安倍氏に国の未来を託した」と「長期安定

政権で国難打破を」と提言しています。

 反面、中国の思想家、荀子(じゅんし)の言葉を

引き合いに警鐘を鳴らしています。

 「水(民)はすなわち舟(為政者)を載せ。

  水(民)はすなわち舟(為政者)を覆す」


 〈毎日新聞〉

 「2013年は、日本経済の底力と日本政治の平和

力という二つの意味で戦後日本の生き方が試される

年になる。

 パイの配分と平和の継続、時代は互譲の裏付けの

ある骨太な互恵精神を求めている」と「骨太の互恵

精神を育てよ」と社説で訴えています。


 〈朝日新聞〉

 社説のテーマは、「混迷の時代の年頭に

『日本を考える』を考える」。

 「国家以外にプレーヤーが必要な時代に、国に

こだわるナショナリズムを盛り上げても答えは

出せまい。

 国家としての『日本』を相対化する視点を欠いた

ままでは、『日本』という社会の未来は見えてこない」

 禅問答のような観念論を展開しています。

 もう少し分かり易く書いて欲しいなあ‥‥。


 〈日本経済新聞〉

 今年の15頁に亘る大型特集テーマは、

「変身の時、殻を破れ」です。

 最も充実した特集記事です。

 「それぞれの分野で自分の殻を破り、新しい舞台を

見つけた日本人たちがいる。その自然な笑顔を見て

ほしい。大きな変化は、小さな出会いや一瞬の事件

から始まる。未来への扉を開くのは一握りの才覚者

だけではない」

 様々な分野で活躍している26人の人物を紹介して

います。

 地面をはう幼虫は、成虫になる前に、静かにサナギ

となり殻にこもります。それまでの身体はどろどろに

溶け新しい身体を作り上げるといいます。

サナギは、自分自身を作り直すためのカプセルです。

固まって動かない日本は、明日の担い手を育む容器

なのかもしれません。


 新聞は情報の宝庫であり、世の中を写す鏡です。