名人と達人 | 小田春人オフィシャルブログ「先人に学ぶ 産業と教育の復活」

名人と達人

 名人の方が、達人より上だと思っていましたが、どうも違うようです。
 名人とは、技芸のすぐれた人。
 達人とは、長年の修練・努力・工夫の結果、その道において理想的な域にまで達したととらえられる人。
 さて、小説家の山川健一さんによると、「コラムとは、比較的短い文章量で、何かの対象について私的な視点を持ちながら独特の世界を描く文章である。」となります。
 先の解釈では、新聞や雑誌にコラムを書いている人は、少なくともコラムの名人です。
 コラムの達人となると、私は山本夏彦さんと、石井英夫さんをあげます。
 山本夏彦さんは、「週刊新潮」に、「夏彦の写真コラム」として、昭和54年から23年間、計1151編のコラムを連載しました。
 87歳で亡くなられる直前まで書き続けられたといいます。その他にも沢山のコラムがあります。
 石井英夫さんは、産経新聞の一面のコラム、「産経抄」を昭和44年から実に35年間も書かれました。
 新聞コラムをこんなに長く担当された人は勿論例がなく、その数1万本を超えます。
 山本さんや石井さんは、原稿用紙2枚、3枚の升目に、森羅万象をお2人独自の視点で、一刀両断の如く綴られています。
 そこには、“物の見方・考え方”の汲めども尽きぬ教訓があります。
 次回は、その“達人芸”の一端を紹介します。