百聞は一見に如かず(その2) | 小田春人オフィシャルブログ「先人に学ぶ 産業と教育の復活」

百聞は一見に如かず(その2)

 今日1番目の視察は、三次市内から約1時間の島根県邑南町(おおなんちょう)羽須美(はすみ)地区の取り組みです。
 邑南町川角(かいずみ)集会所で、NPO法人「ひろしまね」の小田博之事務局長に話しを伺いました。
 羽須美地区全体では、55集落、785戸、1863人、高齢化率51%の典型的な中山間地域です。
 ここの取り組みの核心は、「もう1つの役場」と位置づける「集落支援センター」を創設して、住民の手による新たな地域経営の社会実験をしようとするものです。
 NPO法人「ひろしまね」が中核支援、連携組織となり、地域住民と一体となって進めています。
 具体的に紹介します。
 集落をとりまく課題は、大きく4つにまとめられるといいます。
①集落役員分担の問題
②集落共同作業への参加の問題
③高齢者世帯の生活不安解消の問題
④農林地の維持管理や有害鳥獣の問題
 こうした問題に対応するためには、新しい社会システムが必要だとの発想からでてきたのが「集落支援センター」です。
 〈基本的な考え方〉
①集落支援センターは、地域住民の自由意志で参加できる。元気な人は人材登録をして貰い、有償で作業に従事し、お金の出せる人は支援会員として登録する。
②支援サービスが必要な時は、その都度対価を支払う。
支援サービスは、行政から依頼される種々の役回り、葬式や地域行事の出夫(しゅつぶ)代行を初めとして、田畑の草刈り、除雪、声かけ、法的条件が整えば送迎サービスも行う。
③活動資金は、行政サービスの一部を受託することや、様々なコミュニティビジネスに取り組むことによって捻出し、自主独立経営をめざす。