「THE記者会見」 | 小田春人オフィシャルブログ「先人に学ぶ 産業と教育の復活」

「THE記者会見」

 岡山放送(株)常勤監査役の入野和生(いりのかずお)さんに、著書をいただきました。
 「THE記者会見 ―企業不祥事、その時メディアにどう対応する―」(吉備人出版)です。
 入野さんは、岡山放送(OHK)で、政治、経済畑を中心に、約20年間取材現場を担当し、記者クラブ在籍中は、約3000回の記者会見に臨まれました。
 取材現場を離れた後は、報道番組やニュースキャスター、解説委員、そして報道局次長、四国支社長を歴任して現職に就かれています。
 現場を熟知し、報道の最前線で活躍された豊富な経験をもとに書かれています。
 丹念に企業不祥事を検証し、企業がどのように対応すればよいかを説いています。
 弁護士、コンサルタント、学者の著書はあっても、ジャーナリストがこのようなジャンルの本を書くのは入野さんが初めてだそうです。
 「丸善が優良図書に選定してくれましてね」と少し照れながら話されていました。
 天下の「丸善」(日本を代表する書店で岡山にも出店しています)が、優良図書に選んだ位ですから、内容は私も保証します。
 「クライシスコミュニケーション(緊急時広報)はリスクマネージメント(危機管理)の延長線上にある。また、ある部分で重なっているともいえる。
 記者会見に臨む最大の理由は、より早く、正しく、社会や消費者に情報開示することにある。この原点を見失うことが無ければ、記者会見は最大の広報ツール、クライシスコミュニケーションであることが理解される。
 通信と放送の融合で世界のネットワーク化に成功した、CNNの創始者テッド・ターナーはメディアで世界の人と人、人と企業を結んだ。
 確かにメディアは、単に情報を伝達するだけでなく、人と人、人と企業をも結ぶ大いなる特性を持ち合わせている。
 企業不祥事において、今一度メディアこそが企業と人、そして社会を結ぶ架け橋になるということを覚えていただきたい。」と結ばれています。
 おだやかな話し振りの中に、時おり、キラリと眼が鋭く輝くのが印象的な入野さんです。
 この本の心は、受け取り方次第で様々な応用ができます。
 是非、一読をおすすめします。